明日の戦略-週間では下落も週足は陽線、来週は不安定な動きが続くか

10/17 17:15 配信

トレーダーズ・ウェブ

現在値
東製鉄1,404-4
ツガミ2,807+118

 17日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は695円安の47582円。米国株安を受けて、寄り付きから400円を超える下落。米国では信用不安から地銀株が急落しており、金融株が下げを先導した。500円超下げたところでいったん切り返したが、売り直されて400円を超える下落で前場を終了。後場は開始早々に大きく水準を切り下げると、以降は下値模索が続いた。ドル円が150円を割り込むなど円高進行も重荷となる中、終盤にかけては一時下げ幅を700円超に拡大。47400円台に突入する場面もあり、安値圏で取引を終えた。リスク回避ムードが強まる中、グロース250指数が2.9%安と大きな下げとなった。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆0900億円。業種別ではその他製品、食料品、水産・農林などが上昇した一方、保険、銀行、証券・商品先物などが下落した。上期の業績および配当見通しを引き上げたツガミ<6101>が後場急伸。半面、下方修正を発表した東京製鉄<5423>が後場に入って大きく値を崩した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり433/値下がり1131。「スイッチ」の生産台数に関する観測記事を手がかりに任天堂が逆行高。今週決算を受けて強く買われたイオンが一段高となって上場来高値を更新した。雪印メグミルクや明治HDなど食品株が全般堅調。証券会社が目標株価を引き上げた三井E&Sが急伸し、ストップ高をつける場面もあった。

 一方、ソフトバンクGが3%を超える下落。アドバンテストやディスコなど半導体株に大きく下げる銘柄が散見された。三菱UFJ、みずほFG、東京海上、第一生命など金融株が軒並み大幅安。株安を受けて野村HDや大和証券Gなど証券株も弱かった。リリースのあったサンバイオが、買い気配スタートから急失速して10.3%安と乱高下した。

 日経平均は大幅安。後場に下げ幅を広げたが、前日の上げ分(605円高)を消失した程度にとどまり、パニック的な売られ方にはならなかった。とは言え、信用リスクが強く意識されると株式から資金を逃避させる動きが出てくる可能性があるだけに、米地銀株の下げが一時的なものか長引く話になるのかは注意深くウォッチしておく必要がある。きょうは取引時間中にも円高が進行した。現状では「高市トレード」で進んだ円安が修正された程度だが、ここからさらに円高が進んでしまうと、今の環境では「リスクオフの円高」というイメージが強くなる。円高にブレーキがかかるかどうかにも注意を払っておきたい。


【来週の見通し】
 不安定か。国内は21日に首相指名選挙が行われる予定。新首相が決まれば改めて政策期待が高まる展開も期待できるが、石破首相が自民党総裁辞任を表明して以降、日本株は大きく水準を切り上げているだけに、いったん利益確定の動きが出てくる可能性もある。国内は小売などの決算が一巡して材料難となり、先に決算発表を控える多くの銘柄は手がけづらくなる。海外要因に振らされやすくなると思われるが、米国では決算発表が本格化することで個別株や指数のボラティリティが高まりやすく、地銀株が急落するなどきな臭い動きも出てきている。好材料にも悪材料にも反応が大きくなりそうで、方向感が定まらないと予想する。


【今週を振り返る】
 軟調となった。公明党が自民党との連立離脱を表明したことを受けて、三連休明け14日の日経平均は1241円安と4桁の下落。翌15日は買い戻しが入って800円を超える上昇となり、16日には自民党と日本維新の会の連立に対する期待の高まりを背景に600円を超える上昇となった。火曜の下げ分を水曜と木曜で取り戻したが、金曜17日には700円近い下落。米国で信用不安から地銀株が急落しており、為替市場で円高(ドル安)が進む中、リスク回避の様相が強まった。日経平均は週間では約506円の下落。ただ、週初の発射台が低かったことから、週足では7週連続で陽線を形成した。


【来週の予定】
 国内では、臨時国会召集(首相指名選挙)、9月首都圏マンション発売、氷見野良三日銀副総裁が都内で講演(10/21)、9月貿易統計(10/22)、9月全国消費者物価指数(CPI)(10/24)などがある。

 企業決算では、アルインコ(10/20)、フューチャー、令和AH、オービーシステ(10/22)、信越ポリ、未来工業、KOA、サーティワン、石塚硝、大丸エナ、エイトレッド、SEH&I、光世証(10/23)、中外薬、信越化、キヤノンMJ、沖縄セルラー、ジャフコG、キヤノン電、エスコン、岩井コスモ、ブルドック、ヒガシHD、高純度化、東会舘、PLANT、モバファク、テクノHR、今村証券、東邦レマック、太洋テクノ(10/24)などが発表を予定している。

 海外の経済指標の発表やイベントでは、中国7-9月期GDP、中国9月小売売上高、中国9月鉱工業生産、中国9月固定資産投資、中国共産党、4中全会を開催(~10/23 北京)(10/20)、米20年国債入札(10/22)、米9月中古住宅販売件数(10/23)、米9月消費者物価指数(CPI)、米9月新築住宅販売件数(10/24)などがある。

 米企業決算では、ネットフリックス、コカ・コーラ、テキサス・インスツルメンツ、3M、ゼネラル・エレクトリック、ゼネラル・モーターズ、レイセオン・テクノロジーズ、ハリバートン、ジェニュイン・パーツ、ロッキード・マーチン、ペンテア、パルト・グループ、フィリップモリスインターナショナル、クエスト・ダイアグノスティクス、ノースロップ・グラマン、ダナハー、エキファックス(10/21)、IBM、テスラ、ノーザン・トラスト、AT&T、CMEグループ、ボストンサイエンティフィック、ムーディーズ(10/22)、インテル、サウスウェスト航空、ブラック・ストーン、ダウ、ハネウェル・インターナショナル、ハズブロ、プール、Tモバイル、テクストロン、センターポイント・エナジー、パシフィックガス&エレクトリック、ローパー・インダストリーズ、ユニオン・パシフィック(10/23)、P&G、HCAホールディングス、ゼネラル・ダイナミックス(10/24)などが発表を予定している。

 なお、米国は政府機関の一部閉鎖が続いているうちは、政府発表の経済指標などが見送りとなる可能性がある。

小松

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最終更新:10/17(金) 17:15

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