短期保有者の損失状態のビットコイン供給量、FTXの崩壊以来の最高水準に上昇

11/18 1:42 配信

CoinDesk Japan

最近のビットコイン(BTC)購入分に関しては、短期保有者は本記事執筆時点でほぼ全て損失状態(購入時の価格より下落している状態)にある。グラスノード(Glassnode)は、短期保有者をビットコイン保有期間が155日未満の者と定義している。


6月15日(155日前)にはビットコインは10万4000ドル(約1560万円、1ドル150円換算)で取引されていた。つまり、それ以降に購入されたほぼ全てのコインは、本記事執筆時点の現物価格を上回っていたことになる。


グラスノードのデータによると、短期保有者が保有する280万BTCが損失状態であり、これは2022年11月に起きた暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの崩壊以来で最大となっている。当時、ビットコインは1枚あたり1万5000ドル(約225万円)近くで取引されていた。


ビットコインは本記事執筆時点で10月の史上最高値から約25%下落しているが、これは強気相場の調整局面でよく見られる20%から30%のレンジ内に収まっている。短期保有者とは対照的に、長期保有者は売りを続けている。グラスノードのデータによると、長期保有者の供給量は11月16日時点で7月の1475万5530BTCから1430万2998BTCに減少しており、45万2532BTCの減少となった。


ビットコインの古参投資家でありフラグラント(Fragrant)の取締役であるニコラス・グレゴリー(Nicholas Gregory)氏は、「多くの長期保有者は、長年にわたる蓄積を経て2025年に売却することを選択した」と述べた。


さらに、「こうした売却はこの資産に対するネガティブな見方からではなく、主にライフスタイルに起因するものであり、アメリカでのETF(上場投資信託)開始と10万ドル(約1500万円)の価格目標によって魅力的で流動性の高い売却の機会が生み出された」と述べた。


ビットコインの下落は、注目すべき安定性を示してきたアメリカの現物ビットコインETFとの顕著な乖離を生み出している。アメリカのETF運用資産は、ビットコインベースで測定すると史上最高水準付近を維持している。Checkonchainによると、本記事執筆時点の運用資産は133万BTCで、10月10日のピーク時の138万BTCから3.6%減少している。


運用資産をドルではなくビットコインで測定することで、価格変動によるゆがみを回避できる。この乖離は、最近の価格下落の主要因がETFからの資金流出ではなく、長期保有者であることを示唆している。


|翻訳・編集:林理南|画像:短期保有者が保有する損失状態の総供給量(グラスノード)|原文:Short-Term Holder Bitcoin Supply in Loss Climbs to Highest Level Since FTX Collapse

CoinDesk Japan 編集部

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最終更新:11/18(火) 1:42

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