EUのMiCAはユーロ連動型ステーブルコインを後押しする可能性:JPモルガン

1/11 9:00 配信

CoinDesk Japan

昨年12月30日に施行されたEUのMiCA規制は、ユーロ連動型ステーブルコインを後押しするだろうと、JPモルガンは1月8日発表のリサーチレポートで述べた。


ニコラオス・パニギルツォグルー(Nikolaos Panigirtzoglou)氏率いるアナリストらは、「MiCAの下では、規制された市場で取引ペアとして使用できるのはMiCAに準拠したステーブルコインだけであり、EUの取引所は提供する商品を調整するよう求められている」と指摘している。


この結果、サークル(Circle)のEURCのようなMiCAに準拠したステーブルコインが強さを増す一方、テザー(Tether)社のEURTのようなMiCAに準拠していないステーブルコインは困難に直面した、とJPモルガンは説明する。


ステーブルコインとは、安定した価値を維持するように設計された暗号資産(仮想通貨)の一種で、通常は米ドルにペッグされているが、他の通貨や金などの商品も使用されている。


EUの新しい規則MiCAでは、テザー社のようなステーブルコインの発行者は、ヨーロッパに拠点を置く銀行に多額の準備金を維持し、取引のためのライセンスを取得する必要があると、レポートは指摘した。


このため、テザー社はEURTステーブルコイン事業を打ち切り、EUに拠点を置く多くの取引所からのUSDTの上場廃止にもつながったと、JPモルガンは述べている。


テザー社は11月、ユーロ連動型ステーブルコインEURTを段階的に廃止すると発表。ユーザーはトークンを最大12カ月間、償還できる。


テザー社は、このような課題にもかかわらず、世界のステーブルコイン市場において「支配的な力」を維持しているとJPモルガンは述べ、規制の緩いアジア市場で同社のステーブルコインが広く利用されていると付け加えた。


テザー社がクアントス・ペイメント(Quantoz Payments)などのMiCA準拠のステーブルコイン発行会社に投資していることは、EUでの存在感を維持するというコミットメントを示している、とレポートは付け加えた。


テザー社は12月にも、欧州のステーブルコイン発行会社StablRに投資したと発表している。


|翻訳・編集:山口晶子|画像:Shutterstock|原文:EU's MiCA Rules Will Likely Boost Euro Denominated Stablecoins, JPMorgan Says

CoinDesk Japan

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最終更新:1/11(土) 9:00

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