【ニューヨーク時事】21日午前のニューヨーク株式相場は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公表を前にした警戒感から売りが先行し、反落している。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午前10時11分現在、前日終値比88.63ドル安の3万5062.41ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は74.67ポイント安の1万4209.86。
先週発表された米消費者物価指数(CPI)などのインフレ指標の鈍化や予想を下回る雇用関連統計を受けて、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ停止観測が拡大している。一方で、FRB高官らは市場の早期利下げ期待に対して慎重姿勢を堅持しており、この日午後公表されるFOMC議事要旨(10月31日~11月1日開催分)の議論内容を見極めたいとの思惑が広がっている。
CMEグループのフェドウオッチによると、市場は次回12月会合での政策金利据え置きをほぼ確実視しており、来年3月会合で0.25%利下げに踏み切る確率を約3割、同5月の利上げ開始を約5割弱程度、織り込んでいる。
米長期金利の低下傾向を背景に値頃感から買い進まれたハイテク銘柄の上げも一服。米半導体大手エヌビディアの2023年8~10月期決算(24年度第3四半期)の発表を取引終了後に控え、様子見ムードが広がっている。米政府による人工知能(AI)に使用される先端半導体の対中輸出規制強化の影響への警戒感が根強い。
個別銘柄では、インテル、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス、ホーム・デポが1%超安となり、ダウ平均の下げを先導。小売銘柄の一角が下落している。通期の既存店売上高予想を下方修正したロウズ、ベスト・バイは約3%安。エヌビディアは1%超下落。マイクロソフトは0.8%安。一方、市場予想を上回る四半期決算を背景にディックス・スポーティング・グッズは買いが先行し、10%超の大幅高で推移している。(了)
時事通信
最終更新:11/22(水) 1:25
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