【2025年の障害年金ニュース3選】年金と給付金「年6回支給で約112万円!」受給できるのはどんな人?認定プロセスの抜本的な見直し「何が変わる?」

12/6 6:00 配信

LIMO

朝晩の冷え込みが厳しくなり、年末がいよいよ近づいてきた12月。今月12月15日は障害年金をふくむ公的年金の支給日になります。暮らしを支える社会保障の中でも、障害年金は、病気やけがによって生活に制限がある方を支える大切な制度です。がんや糖尿病などの内部疾患でも、条件を満たせば対象となることがあり、心身の状態に応じて受け取れるしくみが整っています。

2025年は、この障害年金制度にさまざまな動きがあった一年でした。今回は、制度改正や認定プロセスの見直しなど「2025年の障害年金ニュース3選」をわかりやすく紹介します。

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【障害年金ニュース①】認定プロセスの抜本的な見直し「何が変わる?」

2025年は、障害年金制度の認定方法において大きな改革が進められています。日本年金機構は2025年9月19日、「不支給事案に関する点検作業の進捗状況」を公表しました。今回の点検対象は、令和6年度の不支給事案(審査請求を除く)を中心に、約1万1000件に及びます。

2024年度の認定状況に関する報告書を受け、日本年金機構は公平性の向上を目的に、審査体制の抜本的な見直しと過去の不支給事案の検証を迅速に実施しました。この取り組みは報告書の指摘を踏まえ、2025年7月以降、集中的に進められています。

対応策としてあげられたのは以下の3点です。

 ・審査書類の記載をより丁寧に
 ・認定プロセスの客観性・公平性を確保
 ・障害年金センターの審査体制を再構築
このうち「審査書類の丁寧な記載」について、改正された2種類の書類を詳しく見ていきます。

●書類の改正ポイント(1)事前確認票
内部確認用の「事前確認票」が改訂されました。従来は職員が等級を記載していましたが、今後は日常生活や就労状況など、客観的事実のみを記載する方式に変更されます。

改正前は「1級・2級」などの欄がありましたが、改正後は削除され、「職員特記事項」欄には認定医の判断に役立つ事実のみを記載する形に見直されます。

●書類の改正ポイント(2)認定調書
また、審査結果をまとめる「認定調書」も変更されました。従来は「○級」と簡潔に記載されることが多かったのですが、今後は不支給や等級判断の理由を詳細に記載することが求められます。

改正後は、判断理由や参考要素を丁寧に記載し、透明性を高める方針です。

●点検で見直された「総合評価」の要素
今回の点検で支給決定に至った事案では、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」における総合評価の要素がより重視されました。

 ・病状や状態像症状の経過や予後の見通しを、日常生活への影響として評価
 ・療養状況入院歴(期間・頻度・状態の安定度)や薬物治療の内容(種類・量・期間)を重視
 ・就労状況就労の有無だけでなく、仕事内容や職場での配慮、勤務日数などを詳細に評価
これらの改善策は、障害年金制度が個々の生活実態をより丁寧に把握し、適切な判定につなげるための取り組みです。日本年金機構は判定精度の向上に向け、真摯に対応を進めています。

【障害年金ニュース②】年金と給付金「年6回支給で約112万円!」受給できるのはどんな人?

公的年金は、物価や賃金の変動に合わせて、年金受給額を毎年見直しています。2025年度の障害年金の年金額について見ていきましょう。

●障害基礎年金の年金は1級と2級のみ
 2025年4月からの「障害基礎年金」年金額

 ・1級:年額103万9625円(一部は103万6625円)
 ・2級:年額83万1700円(一部は82万9300円)
受け取る年金額は昭和31年4月2日以降に生まれたかどうかで若干の差があります。また、子どもを扶養している場合は加算があり、2人まで各23万9300円、3人目以降は各7万9800円が年金に上乗せされます。等級や家族構成によって受給額が変わります。

●障害厚生年金の年金は1級・2級・3級
障害厚生年金は、1級・2級・3級まであり、加入期間中の給与額に応じて決まる「報酬比例」の年金額が基本です。報酬比例とは、年金制度への加入期間や給与水準をもとに計算されるしくみです。

●2025年4月からの「障害厚生年金」年金額
 ・1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(23万9300円)
 ・2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金(23万9300円)
 ・3級:報酬比例の年金額のみ(3級の最低保障額は62万3800円または62万2000円)
なお、障がいの程度が3級に満たない場合でも一定の要件を満たせば一時金として「障害手当金」が支給されることもあります。

●障害年金生活者支援給付金の月額、1級は6813円・2級は5450円
2025年は食品の値上がりなどもあり、家計に大きな打撃を与えた年でもありました。障害年金生活者支援給付金とは、物価の影響を受けやすい方の暮らしを下支えする目的で2019年の消費増税を機に創設された制度です。障害基礎年金を受給している方のうち、所得が一定以下の場合に対象となり、年金に上乗せして支給されます。

 ・障害年金生活者支援給付金(月額):1級6813円・2級5450円
上記のように、障害年金生活者支援給付金は障害等級1級と2級で給付金の月額がことなります。あくまでも一例ですが、たとえば、扶養家族がなく、所得が一定以下である障害等級1級の障害基礎年金受給者の方は、障害基礎年金と給付金と合わせて約112万円受け取るということになります。

この障害基礎年金は、障がいの状態に応じて等級が設けられています。

これは、障がいの状態によって生活や仕事に与える影響が異なるため、より障がいがある人に手厚い年金が支給されるようにするためです。障害基礎年金では、1級の方が2級よりも障がいの状態があり、日常生活に大きな制約がある場合に認定されます。

【障害年金ニュース③】2025年9月に発表「どの障がいが多く支給された?」

2025年9月、日本年金機構は「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」を公表しました。ここでは「どの障がいが」診断書種類別の支給件数を確認します。

●《新規裁定》障害基礎・厚生年金の合計:13万848件
新規裁定とは、新たに障害年金を受けることが決定された件数です。

 ・精神・知的障害:8万7697件(全体の67.0%)
 ・外部障害:2万7121件(20.7%)
特に障害基礎年金では、精神・知的障害が全体の80.6%と非常に高い割合を占めています。

●《再認定》障害基礎・厚生年金の合計:30万6248件
再認定とは、既に障害年金を受けている人が更新手続きを行った結果、引き続き支給が決定された件数です。

 ・精神・知的障害:24万2325件(79.1%)
 ・外部障害:3万7001件(12.1%)
 ・内部障害:2万6922件(8.8%)
内部障害には呼吸器疾患、循環器疾患、腎疾患・肝疾患・糖尿病、血液・造血器疾患などが含まれています。

精神・知的障害分野で新規裁定・再認定ともに多くの支給決定が行われています。障害年金は、障がいのある方の生活を経済的に支える重要な社会保障制度であり、今後も適切な判定と制度運用の充実が期待されます。

まとめにかえて

今回は、障害年金制度が大きな転換期を迎えた2025年のニュースを3つ取り上げました。年金額の改定に加え、認定プロセスの抜本的な見直しや不支給事案の再点検が行われ、形式的な判断から、入院歴や就労状況など個々の生活実態を重視する「総合評価」へと進化しています。この結果、一部の事案では支給決定に覆るケースも確認され、制度がより生活に寄り添う方向へと改善されていることがわかります。

障害年金は、病気やけがで生活に制約があるとき、本人や家族の暮らしを支える重要な制度です。今回の改正により、より安心して利用できるしくみになりつつあります。

「自分は対象になるのかな?」と感じたら、年金事務所や専門窓口に相談することをおすすめします。日本年金機構のホームページからお住いの近くの年金事務所を検索することもできます。必要な書類や手続きの流れを丁寧に教えてもらえるので、早めに確認しておくと安心です。

参考資料

 ・日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」
 ・日本年金機構「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書への対応状況」
 ・日本年金機構「障害年金業務統計(令和6年度決定分)」
 ・日本年金機構「全国の相談・手続き窓口」
 ・政府広報オンライン「障害年金の制度をご存じですか? がんや糖尿病など内部疾患のかたも対象です」

村岸 理美

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最終更新:12/16(火) 17:10

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