日本株ロング・香港株ショート取引、ファンドが解消か-ゴールドマン

4/30 16:34 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 世界の資産運用会社は人気の高い日本株ロング、香港株ショートの取引を解消し始めている可能性があると、ゴールドマン・サックス・グループが指摘した。両市場のバリュエーションの差が広がっていることが理由だという。

ブルームバーグが確認したゴールドマンの株式セールスチームの26日付リポートによると、多くのマクロヘッジファンドが日本株の売りと、香港株のショートポジションのカバーを開始した。ロングオンリーのファンドの一部も、日本株と米国株のバリュエーションが割高に見えるため香港株へのローテーションを進めている可能性があるという。

日本株はここ数週間、1-3月(第1四半期)の急上昇から反転している。日経平均株価は3月に一時年初来22%高となり最高値を更新したが、同水準から下落している。

一方、ハンセン指数は今月、世界の主要株価指数の中で最も好調で、7%以上上昇した。中国政府の政策支援と中国本土からの資金流入が原動力だ。海外投資家にとっては、香港の通貨が米ドルにペッグしていることも魅力となっている。

ゴールドマンの広報担当者はコメント要請に直ちには応じなかった。

集中した取引

ウィリー・チャン氏率いるバンク・オブ・アメリカ証券のストラテジストは29日のリポートで「米国の金利が高止まりする可能性があるため、ファンドが人工知能(AI)、日本、米国など集中した取引から中国市場へと巻き戻しやリバランスを続けたため、香港上場の中国株が急騰した」と説明した。

香港株は少なくとも幾つかの指標では、日本株よりかなり割安だ。ハンセン指数の予想利益に基づく株価収益率(PER)は8.5倍なのに対し、日経平均は21倍を超えている。

中信建投証券(CSCファイナンシャル)のアナリスト、グオ・チェン氏は、日本株離れの一因は円安にもあるだろうと指摘する。

「円は予想以上に下落し、日本市場への投資リターンが低下した」と指摘し、「アジア市場における外資の現在の投資対象は日本から香港株にシフトしており、最近の香港株上昇の主な原動力となっている」と解説した。

それでも、これは日本株ロング、香港株ショートの終焉(しゅうえん)ではなく、短期的な中断に過ぎないという意見もある。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、ギルバート・ウォン氏(香港在勤)は現在の動きは「ファンダメンタルズに左右されてのものではなく、通常は短期間で終わるものだ。この流れは1週間後には終わるだろう」との見方を示した。

原題:Goldman Says Funds Likely Selling Japan Stocks to Buy Hong Kong(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/30(火) 16:34

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