William Schomberg
[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した今会計年度当初7カ月間(4─10月)の政府借入総額は983億ポンド(1224億9000万ドル)だった。
前年同期と比べ約220億ポンド増加したが、予算責任局(OBR)が3月に予測した額を約170億ポンド下回っている。22日に予算演説を控えるハント財務相にとって減税余地が生まれた形だ。
KPMG・UKのシニアエコノミスト、マイケル・ステルマック氏は「今年の財政状況の短期的な改善は、今後5年間は持続不可能であることが判明する可能性が高い」と指摘。3月のOBRの予想よりも金利が高くなる見通しで、財政にゆとりが生じても中期的には高金利により相殺されるとの見方を示した。
ハント財務相は声明を発表し、財政責任を負うという約束を守ると表明。「明日の秋季予算案では英国が必要とする成長を実現するために、どのように設備投資を促進し、人々を職場に復帰させるかに焦点を当てる」と述べた。
公的債務は現在2兆6000億ポンドを上回る。対国内総生産(GDP)比で約98%と、20年前の3倍以上となっている。
ONSによると、国有銀行を除いた公的部門の純借入は10月単月で149億ポンド。ロイター調査のエコノミスト予想は120億ポンド、OBR予測は137億ポンドだった。
4─10月の歳入は4.5%増加した。インフレや賃金の大幅な伸びを受けた税収増などが寄与した。歳出は4.8%増だった。
物価連動債の指標である小売価格指数の低下により4─10月の利払い費用は約20%減少した。
ロイター
最終更新:11/21(火) 18:06
Copyright © 2023 Thomson Reuters 記事の無断転用を禁じます。
© LY Corporation