(ブルームバーグ): スポーツ賭博運営の米ドラフトキングスが27日の米株式市場で大きく売られた。全米大学体育協会(NCAA)のチャーリー・ベーカー会長が試合の勝敗ではなく選手の細かい成績や統計を対象とした「プロップベット」と呼ばれる賭けを禁止すると発表した。
ドラフトキングス株は6.8%安で終了。一時は8.8%値下がりする場面もあった。ブックメーカー「ファンデュエル」の親会社フラッター・エンターテインメントの株価も下落した。
ベーカー会長によれば、NCAAは州議会と協力し、全米で大学のプロップベットを撤廃する。「学生アスリートを保護し、ゲームの誠実さを守るため、スポーツベッティングを制限する」と同会長は説明した。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は、連邦議員がギャンブル運営企業に対する監視を強化し、ギャンブル依存症の患者をターゲットにしたプレーヤーのデータやマーケティング戦術の利用をやめさせるよう求めていると報じた。
ドラフトキングスは株価下落についてコメントせず、米国ゲーミング協会(AGA)に問い合わせるよう求めた。
AGAの政府関係担当シニアバイスプレジデント、クリス・サイケ氏は「消費者とアスリート、ゲームの誠実さを守る規制保護を備えた強固な合法スポーツベッティング市場を確かなものにするため、NCAAやゲーミング規制当局、その他の利害関係者との建設的な対話をわれわれの業界は楽しみにしている」とするコメントを電子メールで発表した。
米連邦最高裁は2018年、全米の州でスポーツ賭博を認める判断を下した。以来、米国ではスポーツベッティングが爆発的に普及。
ウォール街のアナリストは、新たなベッティング市場の見通しとファンの広がりに注目し、北米の新興オンラインギャンブル事業のリーダーとしてドラフトキングスに好意的な見方をしている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、ドラフトキングスの投資判断は「買い」が29件、「ホールド」が7件、「売り」が1件となっている。
一方で、この業界は規制強化が必要かもしれないという見方も浮上している。最近では、米大リーグのスーパースター、大谷翔平選手を巻き込む賭博スキャンダルが発覚。米プロバスケットボールNBAは、複数の不正賭博の疑いがあるとして1人の選手を調査している。
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原題:DraftKings Plunges as NCAA Seeks to Ban College Prop Betting (1)
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最終更新:3/28(木) 12:53
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