野村HDホールセール部門長、年内1ドル=140円台の円高見込む

3/28 8:58 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 野村ホールディングス(HD)のホールセール部門長を務めるクリストファー・ウィルコックス氏は28日、ブルームバーグテレビに出演し、約34年ぶりのドル高円安水準を付けた為替相場について、年後半には円高傾向になるとの見通しを示した。

ウィルコックス氏は、円相場について1ドル=140円台に戻すだろうと述べた。今後、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和を進める一方、日本では多少の引き締めが起きるとみている。

円相場は27日の東京外国為替市場で一時1ドル=151円97銭まで下落し、2022年に付けた1990年7月以来の安値(151円95銭)を下回った。28日は151円台前半に上昇。前日に財務省と日本銀行、金融庁が3者会合を開催し、介入警戒感が一段と高まったことが円を押し上げた。

ウィルコックス氏は「中央銀行は市場を驚かせることができる時に介入する傾向がある」と指摘。現在は介入警戒感が高まっていることから、実施には踏み切らず、口先介入にとどまるのではないかとしながらも、実際には分からないと述べた。

米銀JPモルガン・チェース出身の同氏は2021年に野村HDに入社した。トレーディングや投資銀行業務を抱えるホールセール部門のトップを務める。米国でのプライベートクレジット事業の強化やコスト削減を進め、収益回復に向けた施策に取り組んでいる。

23年4ー12月期(第3四半期)のホールセール部門の税前利益は333億円。経費削減の効果に加えて、日本関連の株式引き受け業務や企業の合併・買収(M&A)助言業務などが貢献し、四半期ベースで改善傾向にある。ただ、来期(25年3月期)に目標として掲げる1300億円とは開きがある。

ウィルコックス氏は「中期的な成功に向けて、事業の再構築を行った部分が数多くある」などと指摘。目標達成には自信を示した。ホールセール部門の利益動向は市場からの関心も高い。

日本銀行は19日、マイナス金利政策の解除を決め、17年ぶりの利上げに踏み切った。金利の復活により、野村HDにとってはトレーディング収益の寄与にもつながるとの期待もある。同社の収益の約4分の1は、債券や為替を中心とするフィクストインカムが占めている。

ウィルコックス氏は「日本は昨年、世界で最もエキサイティングな市場だった」と指摘。「世界中のほとんどの人が日本市場に関心を持っている」と語った。

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--取材協力:Joyce Koh.

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最終更新:3/28(木) 15:24

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