宇宙人目撃情報、ねつ造がほとんど-米国防総省が正式調査結果を報告

3/9 6:13 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 地球外生命体、つまり宇宙人に遭遇したと主張する目撃情報について、米国防総省は1940年代までさかのぼって大量の事例を調査する全領域異常対策室(AARO)を昨年設置。今回その調査結果をまとめ、いずれも実際に地球外生命体と遭遇したことを示す証拠は見つからなかったと報告した。

また米国が地球外生命体のテクノロジーを分析するリバースエンジニアリングプログラムを秘密裏に設けているとの主張も、今回の報告で否定された。目撃情報についてはいくつか説明のつかないケースがあるものの、ほとんどの場合がねつ造、もしくはありふれた説明が可能なものだったという。

AAROがまとめた63ページに及ぶ報告書によれば、このほかドローン(無人機)や衛星に関する極秘の政府プログラムを巡る混乱した情報もあり、地球外生命体とは何ら関係がなかった。

「あらゆる機密レベルの情報をすべて調査した結果、ほとんどの目撃情報はありきたりの物体や現象、あるいは誤認の結果であると結論づけられた」と報告書は指摘。政府の機密プログラムが存在するとの主張は「何ら証拠がないのに信じ込んでいる集団が流したもので、虚偽情報によく見られる『循環報告』に由来する」という。

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2020年に海軍パイロットが撮影した動画の公開をきっかけに、地球外生命体に関する関心があらためて急激に高まった。この動画には高速で飛行し、説明不能な動き方をする物体が映っていた。こうした状況の中で国防総省はAAROを設置したが、報告書の中にはこの動画についての説明は見当たらない。

報告書は目撃情報が定期的に急増する理由として、ソ連との冷戦や政府の行き過ぎた秘密主義、当局への不信感といった「さまざまな文化的、政治的、技術的要因」を挙げた。

国防総省は2023年成立の国防権限法に基づき、この報告書を議会に提出することが義務付けられていた。追加の目撃情報について第2の報告書が提出されることになっている。今回の報告は目撃情報の信ぴょう性を否定しつつ、情報提供者の意図に疑いの目を向けないよう配慮がなされている。

原題:Pentagon Swats Down Alien Sighting Claims Dating Back Decades(抜粋)

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最終更新:3/9(土) 6:13

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