米国と中国の巨額債務、世界他国の財政にもリスク-IMF報告

4/17 22:04 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 世界の2大経済大国である米国と中国は、今後5年間の世界の公的債務増加のうち大部分を占めるだろうと、国際通貨基金(IMF)が報告書で指摘した。米国の支出は金利の高止まりにつながり、他の多くの国にも問題になるとの見解を示した。

IMFは世界の公的財政を概観する「財政モニター」で、「米中両国の公的債務は、現在の政策の下では2053年までにほぼ倍増すると予測されている。従って両国がどのように財政政策を管理するかは、世界経済に大きな影響を及ぼし、他の国・地域の基本的財政予測に大きなリスクをもたらす可能性がある」と論じた。

米国の金利上昇は、他通貨に対するドルの上昇を促し、ドル建てで取引される商品の価格を押し上げる。ドルで借り入れた国の債務負担は膨らみ、多くの国の状況を困難にする。

IMFの財政問題担当トップのビトル・ガスパール氏は「米国の高くて見通しが定かでない金利は、世界の他の国・地域の資金調達コストに影響を与える。その影響は極めて大きい」と主張した。

中国については予想以上の景気減速を警告。減速は「地方政府の著しい財政不均衡を踏まえた、意図しない財政引き締めで悪化する恐れ」があり、国際貿易、対外融資・投資の水準低下を通じて、世界の他の地域にリスクを及ぼす可能性があると予想した。

報告書では、世界全体の国内総生産(GDP)比で基礎的財政赤字は2023年の5.5%から今年は4.9%に縮小すると予測しているが、多くの国で財政を脅かす大きなリスクがあると指摘した。

IMFは、今年は世界の人口とGDPの半分以上を占める88の国・地域で選挙が予定されていることに触れ、「過去数十年にわたり、政治的な立場に関係なく政府支出の増加に対する支持は拡大してきた。このため、今年は特に困難な年になる。選挙年は財政政策が放漫になり、財政赤字が膨らむ傾向がある」と注意を促した。

原題:IMF Says US, China Debt Pose Risks for Global Public Finances(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/17(水) 22:04

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