「年金をもらっているけれど、確定申告は必要なの?」そんな疑問を持つ方は少なくありません。一定の条件を満たせば確定申告は不要です。しかし、65歳以降も働く高齢者が増えている今、年金以外の収入がある場合は申告が必要になることもあります。
特に1月は、確定申告の準備を始める時期です。税務署からのお知らせや、医療費の領収書の整理をしている方も多いでしょう。
また、確定申告不要でも、医療費控除などで税金が戻ってくる可能性があります。知らないと損をするかもしれない、年金と確定申告の関係を見ていきましょう。
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年金受給者の確定申告不要制度とは
年金制度には「確定申告不要制度」があり、以下に該当する方は確定申告を行う必要がありません。
・公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下である
・公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる
・公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である
特別徴収の仕組みにより、多くの方は税金や社会保険料が自動で天引きされます。
なお、厚生労働省年金局の「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給月額は以下のとおりでした(国民年金部分を含む)。
・〈全体〉平均年金月額:15万289円
・〈男性〉平均年金月額:16万9967円
・〈女性〉平均年金月額:11万1413円
基本的に、多くの方は年金収入が年間で400万円以下になります。年金の他に給与所得や事業所得などの所得が20万円を超えない場合、確定申告は不要です。
65歳以降も働く高齢者は増加傾向
昨今は65歳以上になっても健康を維持している方が多く、企業側の人材不足という状況もあいまって、働く高齢者の方が増えています。内閣府の資料によると、2023年の労働力人口比率(人口に占める労働力人口の割合)を見ると、65~69歳の層は53.5%・70~74歳の層は34.5%でした。
中には、「年金だけでは生活できないから」という理由で働いている方もいるでしょう。いずれの理由にしても、長期的に見ると働く高齢者の方は増えており、確定申告が必要となる年金受給者の方は今後増えるかもしれません。
「公的年金等の源泉徴収票」で年金収入は確認できる
「公的年金等の源泉徴収票」は、1年間に受け取った年金額や源泉徴収された税額が記載された重要な書類です。毎年1月上旬~中旬頃に日本年金機構から郵送されます。
確定申告が不要な場合でも、医療費控除や住宅ローン控除などで税金の還付を受けたい場合は、確定申告不要制度の対象者でも任意で申告できます。源泉徴収票の「源泉徴収税額」欄に金額が記載されていれば、還付を受けられる可能性があります。
必要以上に税金を納めずに済ませるためにも、「公的年金等の源泉徴収票」を確認したり、税金の仕組みを理解したりすることは大切です。
おわりに
公的年金収入が年400万円以下で、年金以外の所得が20万円以下なら確定申告は不要です。
ただし、働く高齢者は要注意です。パートや事業収入など年金以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要になります。65歳以上の労働力人口は増加傾向にあり、該当する方は今後も増えるでしょう。
また、確定申告不要でも税金の還付を受けられる場合があります。毎年1月に届く「公的年金等の源泉徴収票」を確認し、源泉徴収税額が記載されていれば、医療費控除や住宅ローン控除で払いすぎた税金を取り戻せるかもしれません。
参考資料
・政府広報オンライン「ご存じですか? 年金受給者の確定申告不要制度」
・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
・内閣府「令和6年版高齢社会白書」
・日本年金機構「令和6年分 公的年金等の源泉徴収票」
柴田 充輝
最終更新:1/6(火) 11:20