ECB、欧州の銀行業務規則の簡素化へ作業部会設置=関係筋
[26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は、欧州の銀行業務規則の簡素化に向けて検討を進めるタスクフォース(作業部会)を発足させた。デギンドス副総裁が委員長を務め、ドイツ、フランス、イタリア、フィンランドの各中央銀行高官も参加している。事情に詳しい関係者が26日、ロイターに語った。
ドイツ、フランス、イタリア、スペインの各中銀は今年、欧州連合(EU)のアルブケルケ欧州委員(金融サービス・貯蓄投資同盟担当)宛の書簡で「欧州の全ての基準の影響について包括的に分析し(中略)意図しない規則や期待事項が積み重ならないようにすべきだ」と要求していた。見直しを実施すれば「具体的かつ現実的な簡素化の施策を盛り込んだ(中略)立法案」につながる可能性があるとし、タスクフォースの立ち上げに結び付いた。
ただ、規則改定はEU欧州議会が担っており、ECBは権限を持っていない。このためタスクフォースが出す勧告は、欧州議会が審議する必要がある。
ECBはコメントを拒否し、ドイツ、フランス、イタリア、フィンランドの各中銀はコメント要請に即座には応じなかった。
ECBのブッフ銀行監督委員長は今月の米首都ワシントンでのイベントで、欧州の銀行規制について「複雑すぎると批判されることがある」としつつ、「規制が業界特有のニーズや脆弱性に効果的に対処するためには、十分に詳細でなければならない」との見解を示した。
ECB理事会メンバーのパネッタ・イタリア中銀総裁は2月、欧州は過剰な規制を避ける必要があり、規制の簡素化を検討する可能性があると表明していた。
ロイター
関連ニュース
- 焦点:ECBがハト派メッセージ、市場は利下げ幅拡大も視野に
- 焦点:ECB連続利下げか、年末までに4回との見方も 貿易戦争で市場混乱
- アングル:各国中銀が「トランプ関税」に苦心、経済予測をかく乱
- 焦点:ドイツ財政政策大転換、ECBの利下げ見通し不透明に
- アングル:ECB、見極めにくい利下げペース 関税など不確定要素多く
最終更新:4/28(月) 14:13