米国債利回り急伸、年内利下げ2回との見方-CPIが予想上振れ

4/10 21:58 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 10日の米金融市場で米国債利回りが急伸し、年初来の高水準に達した。3月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る伸びとなり、年内の利下げは9月以後のわずか2回にとどまるとの見方が浮上した。

こうした展開は、2024年に0.25ポイントの利下げが3月以降に6回(計1.5ポイント)実施されるとの見方がコンセンサスだった年初には想定外だった。

米コアCPI、3カ月連続で上振れ-米利下げ後ずれの可能性

金利スワップ市場の動向によると、フェデラルファンド(FF)金利の年末水準は現行実効レートの5.33%を約40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回るに過ぎないことが示唆されている。

オプショントレーダーらは、年内1回だけの利下げとの観測を強めており、ウォール街の金融機関も予想を修正し始めている。3月前半時点で織り込まれていた今年の利下げは、6月を皮切りに3回実施というものだった。

午後遅くの取引では、米国債利回りはあらゆる年限で前日比約20bp上昇。金融政策に最も敏感な2年債利回りは一時23bp近く上げ4.97%を付けた。10年債利回りは昨年11月以来となる4.5%超えとなった。

JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、デービッド・ケリー氏は「6月利下げの扉が激しく閉まる音が聞こえた」とブルームバーグテレビジョンで指摘。「FOMC(連邦公開市場委員会)が望む以上のインフレであることは間違いない」と述べた。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストらは利下げ開始時期の予想を6月から7月に先送りし、バークレイズのエコノミストらは利下げは年内1回との見方に転じた。

サマーズ元米財務長官は、米金融当局の次の一手が利上げである可能性を市場は「真剣に考えるべきだ」と述べた。

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原題:Traders See Fed Waiting Until After Summer to Cut as Yields Soar、JPMorgan’s Kelly Hears ‘Door Slamming’ on June Cut: Surveillance、Yields Soar as Traders Price in Just Two Fed Rate Cuts in 2024(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/11(木) 10:15

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