アップル株上昇、増収見通し好感-記録的な自社株買い発表

5/3 5:43 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米アップルが2日発表した1-3月(第2四半期)決算は、売上高が懸念されていたほど落ち込まなかったほか、4-6月(第3四半期)は増収に戻るとの見通しが示された。同社の株価は決算発表後の時間外取引で上昇した。

1-3月期の売上高は4.3%減の908億ドル(約14兆円)と、アナリスト予想の903億ドルを上回った。また、アップルは米史上最大規模となる自社株買いも発表。取締役会は自社株買い枠を1100億ドル拡大する計画を承認した。

1株利益は1.53ドルで、こちらも市場予想の1.50ドルを上回った。配当については4%引き上げ1株当たり25セントとした。

今回の決算は、アップルが長い低迷から抜け出すことを待ち望んでいた投資家にとって、安心材料を提供する内容となった。アップルはスマートフォン市場の減速と中国での逆風により、過去6四半期のうち5四半期で減収となっていた。

決算発表を受け、アップルの株価は通常取引終了後の時間外で一時7.9%上昇した。

巻き返し

同社は4-6月期の売上高について、1桁台前半の伸びを見込んでいる。「iPad(アイパッド)」とサービス部門はいずれも2桁台のペースで成長すると予想したが、主力製品「iPhone」に関しては見通しを示さなかった。

革新的な新デバイスの不足が売上高低迷の一因となっているが、同社は5月7日に予定する特別イベントでそうした流れを変えることを狙っている。同イベントでは1年半ぶりに新型のiPadを発表するとみられている。

アップルは生成人工知能(AI)分野での巻き返しも計画しており、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は6月の年次開発者会議でAI戦略を示す見込みだ。

ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)はブルームバーグテレビジョンで、「当社はこの分野に大きな投資を進めている」とし、「われわれは好位置につけていると確信している」と述べた。

中国市場

大中華圏の売上高は164億ドル。前年同期比で減少したものの、アナリスト予想の159億ドルを上回った。マエストリCFOは中国を巡る懸念は行き過ぎだと指摘。「中国での実績には満足している」と語った。

クックCEOもiPhoneが同国で苦戦しているとの見方に反論し、中国本土でiPhoneの売上高が実際には増加したと述べた。

同社の売上高の約半分を占めるiPhoneの売上高は460億ドルと、市場予想の458億ドルを上回った。ただ、前年同期の513億ドルから大幅に減少した。

落ち込みが続くiPad事業の売上高は55億6000万ドルと、アナリスト予想平均の59億1000万ドルに届かなかった。

パソコン「Mac」の売上高は74億5000万ドルと、市場予想の67億9000万ドルを上回った。

スマートウオッチ「Apple Watch」を含むウエアラブル・ホーム・アクセサリー部門の売上高は前年同期比約10%減の79億1000万ドル。市場予想は82億9000万ドルだった。

アップストアやストリーミング・プラットフォームを含むサービス部門は比較的明るい材料で、売上高は14%増の239億ドルと、市場予想の233億ドルを上回った。

原題:Apple Rallies on Upbeat Forecast, Record-Setting Stock Buyback(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:5/3(金) 10:33

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