ベッセント長官が日銀利上げへ異例の要請、片山財務相否定で食い違い

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Bloomberg

(ブルームバーグ): 米国訪問中の片山さつき財務相は31日、日米財務相会談でベッセント米財務長官が日本銀行が利上げするよう要請したとの報道に対し、そのような金融政策の議論にはなっていないと語った。

ノースカロライナ州アッシュビルで開催されている20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議初日の討議後の記者会見で語った。

片山財務相は、金融政策の具体的な手法は日銀に委ねられるとの認識を改めて示した。会談では、「秩序立った円相場は米国を含む世界の金融市場の安定のために不可欠」であり、「日米の継続的な協調した取り組みがこの共通の目的に資するものであることを確認した」と語った。会談はG20会合の合間に約30分間行われたという。

NHKによると、ベッセント長官は日銀の植田和男総裁と片山財務相と相次ぎ会談し、日銀が利上げするよう要請した。ブラウン米財務次官(国際担当)とのインタビューを基に報じた。

ブラウン氏によれば、ベッセント氏は両者に対し、日本の次のステップとして「財政の持続可能性や利上げに向けた道筋を市場に対して明確に示すことが重要だ」と強調。それが今後の適切な政策的アプローチだとした上で、日銀が利上げに踏み切ることなどが必要だという認識を日本側に伝えたという。

ベッセント氏は外国為替市場における円買いに加え、長期金利の押し下げに向けて米長期債の買い戻しを拡大する計画を打ち出すなど、市場への働きかけを強めている。他国の金融政策にも影響を及ぼそうとする異例の発言に対して片山財務相が否定する中、日本側の今後の対応が焦点となる。

現地に同行する日本の財務省幹部は、金融政策は日銀が決めるものであり、ベッセント長官がそのことを理解していないはずはないと補足した。

日銀は17、18日に次回の金融政策決定会合を開く。政策金利を1.0%程度に据え置いた7月会合後の会見で植田総裁は、物価上振れリスクを強調し、利上げペースを速める可能性に言及した。直後に円安是正に向けて日米の通貨当局が協調して円買い介入に踏み切ったこともあり、市場では次回会合での利上げ観測が高まっている。

市場の金融政策見通しを反映する金利スワップ市場では、約92%が次回会合での利上げを予想。その次の10月会合までの利上げを完全に織り込んでいる。

協調介入後の初会談

片山財務相は会見で、日米の協調介入は国際合意に基づくもので、国際金融市場の安定に資するものとの認識を米国と共有していると述べた。

円安対応として、日本政府・日銀は8月26日までの1カ月間で、月次ベースで過去最大となる15兆3993億円の為替介入を実施。円相場が7月下旬に1ドル=164円台に迫る中、同月31日のニューヨーク市場では日米が協調介入を行った。

日米財務相の個別会談は、協調介入後では初めてとなる。

巨額の介入で円は一時155円台まで上昇したものの、その後は円安傾向が続いている。ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、インフレが高止まりするなら「われわれにはやるべきことがある」とタカ派姿勢を示した29日、円は再び160円台に乗せた。足元の円相場は159円台後半で推移している。

片山財務相は、過度な動きに対して断固たる措置を取るというこれまでの日本政府の姿勢に変化はないかとの質問に対し、「変わりはない」と回答した。三村淳財務官は、日米財務相会談では「今後の協調についても良いやり取りができた」と話した。

(c)2026 Bloomberg L.P.

Takashi Umekawa

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