記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。
その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。
そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第119回は、東大生が実践する、賢いノートの使い方をご紹介します。
■ノートの真ん中に線を引く
東大生のノートや解答用紙を観察していると、ある特徴が見えてきます。
それは、ノートの真ん中に線が入っている、ということです。例えばA4のノートの真ん中に線を縦に引いて、右と左に分けて使っている人は意外と多いです。
特に理系の人や、文系でも、数学の勉強の際には、このようにノートに線を引いて、勉強している人が多数います。
真ん中に線を引くのは、どんな効果があるのでしょうか? これについて、『ドラゴン桜』では「思考の流れ」という話で説明しています。まずはこちらの漫画をご覧ください。
※外部配信先では漫画を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
いかがでしょうか? 縦の線を入れるのは「思考の流れが整理できるから」であると、漫画では説明されています。綺麗にノートや解答を書くことは、思考の整理にもつながり、数学的な思考が身に付きやすくなる、ということですね。
これは本当にその通りで、ただ漫然と黒板に書いてあることを書き写したり、問題を解いたりするよりも、頭を使って、要点をまとめられるようになります。
例えば縦の線が入っているノートを使うと、横の幅が狭いので、その分だけ情報量を短く言いまとめなければならなくなります。
長ったらしく何かを書くのではなく、短く言いまとめなければなりません。そうすると、頭の中で言葉を言い換えて、ノートを書くことにつながります。
「どこで改行をするのか」ということを考えながらノートを取ることもできます。「これは、次の行で書くのか、それとも続けて書くのか」という視点を持つことで、丁寧にノートを作ることにつながるのです。
■計算ミスが大幅に減った学生も
さらに、数学や物理の問題を問く際には、ミスも少なくできます。縦に整理することで数式自体が見やすくなるので、ミスがあっても気付きやすくなるうえに、思考も整理できるようになるのです。
また、上から下へ数式が流れていくので、計算式の間違いがあった場合にはすぐに気付くことができます。
理系で、計算ミスが多かったという人でも、このノートを作ってから、大幅にミスが減ったという人もいました。
真ん中に線を引く勉強法は、頭の中を整理するのにぴったりなやり方だと言えます。みなさんぜひ、参考にしてみてもらえればと思います。
受験勉強や、子供への教育など、西岡壱誠さんへの質問を募集しています。こちらの応募フォームからご応募ください。
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最終更新:5/21(火) 9:32
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