ビットコイン、この2カ月で最高の1日──市場は「緩和の夏」を予想

5/16 19:10 配信

CoinDesk Japan

ビットコイン(BTC)は5月15日、アメリカの経済データにより、連邦準備制度理事会(FRB)が夏の間に他の先進国とともに利下げによる金融緩和を実施する可能性が高まったことから、1日の上昇率としては約2カ月ぶりの大きさを記録した。


TradingViewとCoinDeskによると、時価総額トップの暗号資産(仮想通貨)であるBTCは7.5%以上上昇して6万6250ドルとなり、3月20日以来最大の上昇率となった。他のリスク資産と同様、BTCは主要中央銀行の金融政策スタンスの予想変更に敏感で、法定通貨の借入コストが低下すると予想される場合に上昇する。


アメリカ労働省が15日に発表したデータによると、4月の消費者物価指数(CPI)の上昇率はコンセンサス予想を下回り、世界最大の経済大国であるアメリカの物価が再び下降に転じたことを示唆した。CPIは、3月と2月に0.4%上昇した後、先月は0.3%上昇した。食品とエネルギーを除いたコアCPIは、3月の0.4%上昇の後、4月は0.3%上昇した。


その他のデータでは、4月の小売売上高が伸び悩み、GDP算出に使用される「コントロール・グループ」の売上高は前月比0.3%減少した。


そのため、利下げ期待は大きく変化した。フェデラル・ファンド金利先物は、トレーダーはFRBが9月に最初の0.25%の利下げを実施すると予想している(今年の夏は6月20日に始まり、9月22日に終わる予定だ)。FRBは最近、流動性引き締めの手段でもある量的引き締めのペースを6月から引き下げることを示唆した。


FRBだけではない。市場はイングランド銀行(BOE)と欧州中央銀行(ECB)が6月に利下げを実施すると予想している。スイス国立銀行(SNB)とスウェーデンのリクスバンクはすでに基準借入コストを引き下げている。


世界中の中央銀行が金融緩和や流動性緩和の再開に舵を切っており、これは暗号資産を含むリスク資産にとってポジティブな兆候であることは、データ追跡サイトMacroMicroの以下のチャートからも明らかだ。


世界の中央銀行のうち、利上げを最後に実施した銀行の割合は急速に低下し、利下げを最後に実施した銀行の割合は上昇している。言い換えれば、利下げを行った中央銀行の割合が増加しているのだ。


「この割合が高ければ高いほど、中央銀行の利下げが進んでいることを意味し、市場の流動性向上に役立つ可能性がある。この割合が低ければ低いほど、市場の流動性は低下する」とMacroMicroは述べている。


ブローカーのペッパーストーン(Pepperstone)によると、夏にかけて流動性が緩和される見通しであるため、それが株価をサポートし、投資家に「リスクカーブのさらに外側にとどまる」十分な自信を与えるという。


|翻訳:CoinDesk JAPAN|編集:井上俊彦|画像:MacroMicro|原文:Bitcoin Has Best Day in 2 Months as Markets Anticipate a ‘Summer of Easing'

CoinDesk Japan

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最終更新:5/16(木) 19:10

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