リーダーは歓迎会をやるべきシンプルな理由

4/9 18:00 配信

ダイヤモンド・オンライン

 4月に入り、多くの組織が新年度を迎えました。新入社員や転職者など新しいメンバーに対して、リーダーはどのようなことに気をつけて接すると良いのでしょうか。(小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)

● 新しく入ったメンバーに 活躍してもらうには?

 4月に入りました。新入社員や中途採用のメンバーを組織に迎える機会も多いことでしょう。

 この時期に経営者やリーダーが最も意識すべきなのは、新しく組織に入ったメンバーの「入社後の立ち上がり」です。最初の1週間や1カ月をどう過ごしてもらうかで、その人が組織に定着し、本来の力を発揮できるかどうかが大きく変わってきます。

 新しく入った人には、まず会社に慣れてもらわなければなりません。そのためには、周囲がその人をよく知ることが大切です。

 私の経営する小宮コンサルタンツは社員16人の会社ですが、新しい人が入ってくると、採用担当者だけでなく、社員全員がその人と個別に30分から1時間ほど話をするようにしています。じっくり話すことで、どのような専門性を持ち、どのような長所や短所があるのかを、実際に接しながら知っていくのです。

 時には、一緒にランチに行くことも有効です。面接の場だけでは十分に話せなかったことも、少しくだけた場であれば自然に見えてくることがあります。そうした機会を持つことで、職場にもなじみやすくなります。

 こうして新しい人を知る努力をする一方、リーダーは組織のことを伝える努力も怠ってはなりません。

 会社の使命であるミッション、将来像であるビジョン、そして組織としての行動規範であるウェイ。採用の段階でも伝えているはずですが、入社後にもう一度共有し直すことが重要です。

● 歓迎会をやるべき シンプルな理由

 特に大事なのは行動規範です。この会社では何を大切にし、どんな行動が求められるのかを、曖昧にせず伝える必要があります。私は以前から、組織は「規律の中の自由」で成り立つと、折に触れてコラムで取り上げてきました。

 自由に働いてもらうためにも、守るべき規律は明確でなければなりません。採用したから大丈夫と考えるのではなく、入社のタイミングで会社としてのルールを改めて確認しておくことが、組織の土台を守ることにつながります。

 歓迎の場をつくることも、忘れてはなりません。歓迎会でも食事会でも構いません。とにかく歓迎の場があれば、本人は「自分は歓迎されているんだ」と感じるものです。

 新しく入った人が「自分は受け入れられている」「大事にされている」と感じられることは、実はとても大きいのです。そうした実感が安心感につながり、結果として本来の力も出しやすくなります。

 一方で、早く活躍してほしいという気持ちは分かりますが、最初からノルマばかりを強調するのは避けるべきです。入ってすぐの段階から数字ばかりを求めると、本人は力を発揮する前に萎縮してしまいます。まずは社風やルールを理解し、自分の役割をつかみ、周囲との関係をつくることに力を注いでもらうべきです。

● 守るべきルールだけでなく 利用できる制度についても説明しておく

 成果を急かすことは禁物ですが、規律については最初から明確にすべきです。ルールを守り、その場その場で全力を尽くすことは、社会人としての基本です。パワハラやセクハラは絶対に許されないということも、入社時に明確に伝えておく必要があります。

 さらに、権利や制度についても最初の段階で具体的に説明しておくべきです。私の会社では、1人あたり年間10万円ずつの図書費と研修費の補助を用意しており、休暇も1時間単位で取得できます。こうした制度は知らせておかなければ、せっかく用意しても生かされません。

 同時に、守るべきルールの線引きも具体的に示しておかなければなりません。例えば、交通費の精算などにおいて、公私を混同するような使い方は絶対に許されないという線引きをしています。最初に明確にしておくことが、本人のためにも組織のためにもなるのです。

 新しい人に早く活躍してもらいたいのなら、急がせるのではなく、まずは組織になじんでもらうことです。そしてお互いに人となりを知り、会社の目的を共有し、行動規範と制度を丁寧に伝え、歓迎されていると実感してもらうことが大切です。

 新人を迎える新年度にリーダーに求められるのは、「すぐに成果を求める」ことではなく、「安心して力を出せる環境を整える」ことなのです。

小宮一慶

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最終更新:4/9(木) 18:00

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