ブラジル中央銀行は28日の金融政策決定委員会で、インフレ率が高止まりしていることやトランプ関税の不確実性が高いことを受け、政策金利(セリック)である翌日物金利誘導目標を依然、高水準の15.00%に据え置くことを全員一致で決めた。市場の大方の予想通りだった。一部では0.25-0.50ポイントの利下げを予想していた。
中銀は24年9月会合でインフレ再燃リスクが高まったことを受け、利上げサイクルを開始、25年6月会合まで8会合連続で利上げを実施、利上げ幅も計4.50ポイントに達したことを受け、7月会合で金利据え置きに転じた。据え置きはこれで5会合連続。ただ、15.00%の金利水準は6年5月(15.25%)以来、依然約19年ぶりの高水準となっている。
中銀は会合後に発表した声明文で、金利据え置きを決めたことについて、前回12月会合時と同様、「経済成長の緩やかな軌道を示し、労働市場は依然として回復の兆しを見せている」とした上で、「全体のインフレ率とコアインフレ率は引き続き改善したが、依然、物価目標(3%上昇)を上回っている」、また、「インフレ見通しに対するリスクは上振れと下振れの両リスクが引き続き、通常よりも高くなっている」とし、インフレリスクの抑制を優先する必要性を強調している。
トランプ米大統領は25年7月にブラジルへの50%関税の導入、さらには自動車や鉄鋼製品などブラジルの主要製品を除く輸入品に50%(基本税率10%と追加関税40%)を課すと発表したことを受け、中銀は今回の会合でも、「地政学的状況(トランプ関税)が国内インフレに与える影響や財政政策の動向が金融政策と金融資産に及ぼす影響を注視している」とした上で、「経済の不確実性が高まっている状況で慎重な金融姿勢を強化している」とし、金利を据え置いたとしている。
また、今後の金融政策について、中銀は、「経済シナリオが予測通りであれば、次回(3月)会合で、金融政策スタンスの緩和を開始する」とし、利下げ転換を示唆した。ただ、利下げペースについては、「インフレ率の物価目標への収束を確実にするため、金融政策を引き締め的な水準に維持する」とし、緩やかなペースで利下げしたい考え。
中銀は前回会合まで、「インフレ期待が物価目標を上回り続けている中で、インフレ率を物価目標に収束させるためには、かなり長期にわたる大幅な金融引き締め政策が必要だ」とし、当分の間、金利を据え置き、過去の累積的な利上げ効果を見守る考えを示していた。
今回の会合で、中銀は26年のインフレ率の見通しを3.4%上昇と、前回予測の3.5%上昇から引き下げたが、依然、物価目標を上回っている。また、金融政策の予測期間の最終にあたる27年4-6月期の見通しを3.2%上昇と、据え置いた。
市場では中銀は3月会合での利下げの可能性を示唆したことから、3月会合では0.25ポイントの利下げ、または、通貨レアルの相場が安定すれば、0.5ポイントの利下げを予想している。また、3月以降、政策金利は12.50%に低下するまで5回連続で0.50ポイントの利下げを実施すると見ている。
次回の金融政策決定会合は3月17-18日に開かれる予定。
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最終更新:1/30(金) 8:43