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東京為替見通し=3月CPIを見極め、155円KOの攻防・円買い介入への警戒感は維持

4/19 8:00 配信

トレーダーズ・ウェブ

 18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は154.68円まで強含み、ユーロドルは1.0642ドルまで下落した。米連邦準備理事会(FRB)高官のタカ派発言や米10年債利回りが4.65%台まで上昇したことなどでドル高に振れた。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、まずは3月コア消費者物価指数(CPI)を見極めたい。その後は、155円にあると言われているノックアウト・オプションの攻防戦や本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性に警戒する展開が予想される。

 8時30分に発表される日本の3月コアCPIは前年比+2.6%と、2月+2.8%から伸び率低下が予想されている。3月CPI(生鮮食料品・エネルギー除く)も前年比+3.0%で、2月+3.2%から減速が見込みだ。

 市場予想通りに日本のインフレ率の伸び率が鈍化していた場合、ゼロ金利政策の長期化観測が高まりそうだ。そうなると、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ時期先送り観測と合わせてドル買い・円売り要因となるため、155円のノックアウト・オプションへの買い仕掛けに要警戒となる。

 ワシントンで日米韓財務相会合、G7財務相・中央銀行総裁会議、G20財務相・中央銀行総裁会議が開催されたが、ドル高是正の緊急性が乏しいとされたためドル円は154円台後半まで反発した。

 イエレン米財務長官は、自国通貨の急激な下落を巡る日本と韓国両財務相の懸念に留意する姿勢を示したに留まった。同財務長官はかつて、為替レートの水準に影響を及ぼすことでなく、ボラティリティーを滑らかにするスムージングが目的であれば、為替介入は理解できる、との認識を示していた。しかしながら、今回は介入を容認するような発言はなかった。

 鈴木財務相は、米財務長官の受け止めについて「よく聞いてもらえたと思う」と述べ、神田財務官は「アメリカとは毎日のように話している。そこで意思疎通ができている」とは述べている。

 今後は2022年10月の再現、すなわち同年10月12-13日にG20会議が開催された後、同月21日と24日には覆面介入が行われたことで、円買い介入の可能性には注意を高めておきたい。

 直近のイベントをまとめると、日米韓財務相会合では「最近の急速な円安およびウォン安に関する日韓の深刻な懸念を認識しつつ、既存のG20コミットメントに沿って、外為市場の動向に関して引き続き緊密に協議する」との声明が出された。

 G7会議では、ドル高が進行する為替市場の動きを巡り、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済・金融の安定に悪影響を与え得る」などとした2017年5月の声明が再確認された。神田財務官は、「日本の主張も踏まえて為替を含む過去のG7における政策対応に関するコミットメントが再確認された」と述べた。

 G20会議では、米国の金利が高いことでドル高が進み新興国の債務が膨らむことへの懸念が出たものの、為替そのものについては議論にはならなかった。鈴木財務相は、為替はG20の議題にはなかったので発言はしなかったと述べている。

 また、植田日銀総裁がG20後の記者会見で、円安による輸入物価の上昇が基調的な物価上昇率に影響を与える可能性に言及。「無視できない大きさの影響が発生した場合には金融政策の変更もあり得る」と語っており、来週の日銀金融政策決定会合への警戒感を強めた。

トレーダーズ・ウェブ

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最終更新:4/19(金) 8:00

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