NY外為市場=ドルが対円・ユーロで上昇、FRB議長発言を材料視

4/17 5:39 配信

ロイター

[ニューヨーク 16日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。対円で一時154.79円と、34年ぶりの高値を付けたほか、対ユーロでも5カ月ぶり高値を更新した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が、高水準の金利をより長期間維持する必要がある可能性に言及したことが材料視された。

パウエル議長は16日、ワシントンで行われたイベントで「最近のデータは明らかにわれわれに自信を与えるものではなく、むしろその自信を得るには予想よりも長い時間がかかる可能性が高いことを示している」と指摘。インフレの2%回帰に向けた「一段の進展の欠如」や労働市場の力強さ踏まえ「制約的な政策がさらに時間をかけ効果を発揮することを容認し、データや変化する見通しに依存することが適切」と述べた。

マネックスUSAのトレーディングディレクター、フアン・ペレス氏は、昨年終盤には米経済の減速が見込まれていたものの、「経済が拡大しているというのが現実だ」と述べた。    

最近発表された好調な米経済指標受け、米利下げ観測は後退。現時点で、金融市場では2回以下の0.25%ポイント利下げが見込まれている。また、利下げ開始は9月になる公算が大きいという見方が大勢。

イスラエルとイラン間の地政学的緊張の高まりを背景に、安全資産としてのドルへの投資妙味も増している。

終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.04%高の106.24。一時、昨年11月1日以来の高値となる106.51を付ける場面もあった。

パウエル議長の発言を受け、ユーロ/ドルは一時11月2日以来の安値となる1.06013ドルに沈んだ。ただその後切り返し、0.08%高の1.0631ドルとなった。

ドル/円は終盤、0.23%高の154.62円。ドルは34年ぶりの高値を付けた後、数分間で154.76円近辺から153.90円に急落したため、介入を巡る懸念が高まった。

鈴木俊一財務相は16日、為替円安に関して「今の動きをしっかりと注視している。必要に応じて万全の対応をしていく」と語った。    

日本の金融当局者が介入への警告を強めているものの、ソシエテ・ジェネラルのコーポレートリサーチ・FX・金利部門責任者ケネス・ブルー氏は「介入は下落ペースを管理することはできるが、トレンドを変えることはできず、コストもかかる」と指摘。「米債利回りが上昇し続ける限り、利回り格差の拡大との戦いとなり、大きな成功を収めることはできないだろう」と述べた。

豪ドル/米ドルは一時、11月14日以来の安値となる0.63895米ドルを付けた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.31%安の6万2873.63ドル。    

ドル/円 NY終値 154.71/154.72

始値 154.58

高値 154.78

安値 153.92

ユーロ/ドル NY終値 1.0617/1.0621

始値 1.0625

高値 1.0653

安値 1.0602

ロイター

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最終更新:4/17(水) 6:07

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