14日のニューヨーク外国為替市場でドル円はほぼ横ばい。終値は154.55円と前営業日NY終値(154.56円)と比べて1銭程度のドル安水準だった。米長期金利の低下をきっかけに円買い・ドル売りが先行。日米株価指数先物や欧州株相場の下落を背景にリスク回避の円買い・ドル売りが入ると、22時30分前に一時153.62円と日通し安値を更新した。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。ナイト・セッションの日経平均先物やナスダック総合がプラス圏を回復するなど、日米株価が底堅く推移するとドル円にも買い戻しが集まった。米長期金利が上昇に転じたことも相場の支援材料となり、2時過ぎには154.74円付近まで持ち直した。「政府が近く策定する総合経済対策の規模は17兆円台になる見通し。ガソリン税などに上乗せされる旧暫定税率の廃止による大型減税も盛り込む」との報道も買いを後押ししたようだ。
もっとも、欧州時間に付けた日通し高値154.76円が目先レジスタンスとして意識されると上昇は一服し、NY午後に入ると154円台半ばで次第に値動きが鈍った。
なお、10月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに反対し、金利据え置きを主張したシュミッド米カンザスシティー連銀総裁は「10月の反対意見表明の根拠は、12月に向けても私の指針となっている」と述べたほか、ローガン米ダラス連銀総裁も「10月は据え置きを望んだ」「12月の会合で追加利下げを支持するのは難しい」などと話した。一方、ミラン米連邦準備理事会(FRB)理事は「データは利下げを支持」「FRBの政策姿勢を一段とハト派的に変えるべきであり、弱めるべきではない」などと語った。
ユーロドルは4営業日ぶりに小反落。終値は1.1621ドルと前営業日NY終値(1.1633ドル)と比べて0.0012ドル程度のユーロ安水準だった。米長期金利が低下するとユーロ買い・ドル売りが先行し、22時過ぎに一時1.1654ドルと日通し高値を更新した。
ただ、前日の高値1.1656ドルや10月29日の高値1.1666ドル、同月28日の高値1.1669ドルがレジスタンスとして意識されると失速。米長期金利が上昇に転じたことなども相場の重しとなり、1時前に1.1606ドルと日通し安値を更新した。
ユーロ円は6日ぶりに反落。終値は179.61円と前営業日NY終値(179.80円)と比べて19銭程度のユーロ安水準。日本時間夕刻に一時179.97円と1999年のユーロ導入以来の高値を付けたものの、株価の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると一時178.98円と日通し安値を付けた。ただ、ドル円の持ち直しにつれた買いが入ると179.70円付近まで下げ渋った。
本日の参考レンジ
ドル円:153.62円 - 154.76円
ユーロドル:1.1606ドル - 1.1654ドル
ユーロ円:178.98円 - 179.97円
羽土
最終更新:11/15(土) 7:42