遠のく米利下げ、シティは年内5回を堅持-業界内で際立つハト派予想

4/18 5:53 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): シティグループのエコノミストは、ウォール街が総じて年内の米利下げ見通しを縮小する中で、逆張りの予想を堅持している。

米消費者物価指数(CPI)統計が3カ月連続で予想を上回る伸びとなったことを受けて、バンク・オブ・アメリカ(BofA)、ゴールドマン・サックス・グループ、モルガン・スタンレーなどのライバル銀行は、今年の利下げ予想を縮小した。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が16日、政策緩和を急いでいない姿勢を改めて示したことも、こうした動きを後押しした。

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しかし、シティグループのアンドルー・ホレンホースト、ベロニカ・クラーク両氏は、米経済は驚くほど底堅いものの、米金融当局は成長失速を懸念しており、判断を急ぐのは見当違いだと話す。両氏は年内5回の0.25ポイント利下げとの予想を変えていない。金融当局者はインフレ鈍化や景気低迷の兆しを逃さずとらえる構えだという。

ホレンホースト氏はインタビューで「われわれは2024年の経済の軌道について、他社とは全く異なる考えを持っている」と指摘。「米金融当局のリアクション機能はコンセンサス予想よりもかなりハト派的だとみている」と述べた。

対照的に、デリバティブ市場が織り込む6月利下げ開始の確率は10%程度にとどまり、年内に0.25ポイントの利下げが2回あるかどうかすら疑問視している。

両氏の見解にとって、今後発表されるコア個人消費支出(PCE)価格指数が鍵を握る。コアPCEの前月比上昇率が3月と4月に0.25%(2月とほぼ同じ水準)にとどまれば、米金融当局は「6月か7月から政策金利を 『徐々に』 引き下げる余地がある」と判断するだろうと、両氏はみている。

経済が引き続き堅調であることを示すデータよりも、雇用市場の減速といった経済の弱さを示す兆候を米金融当局は一段と重視する、とシティでは予想。米金融当局内のバイアスが政策緩和の方向に傾いているためだとしている。

「パウエル議長や他の高官らは、『緊急性』はないとの発言にもかかわらず、利下げに着手することを切望している」とホレンホースト氏らは17日のリポートに記述。「米金融当局のリアクション機能に関するハト派的な非対称性を金利市場は過小評価しているようだ」と述べた。

原題:Citigroup Says Wall Street Is Wrong to Slash Fed Rate-Cut Bets(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/18(木) 5:53

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