好決算が米株価押し上げる可能性低い－ＪＰモルガン

（ブルームバーグ）： 米国株の今年の記録的な上昇を受け、楽観的な見方の多くは既に織り込み済みであるため、明るい企業業績が株高につながることはないと、ＪＰモルガン・チェースのストラテジストが予想した。

ミスラフ・マテイカ氏率いるストラテジストはリポートで、利益見通しは決算シーズン入り前に下方修正されているため、米企業の業績が予想を上回るためのハードルは低いと指摘。Ｓ＆Ｐ500種株価指数構成企業の収益は、大手テクノロジー企業を除けば減少する見込みだという。

同時に、回復力のある経済成長と金利低下をめぐる楽観的な見方から、Ｓ＆Ｐ500種は過去最高値を更新しており、投資家のポジションは「伸び切っている」ように見える、とマテイカ氏は指摘する。

「現在の株式バリュエーションを正当化するためには、明確な業績の加速が必要だが、それが実現しないかもしれないと懸念している」と説明した。

マテイカ氏はまた、株価は物価上昇圧力が金融当局の政策や債券利回りに与える影響を過小評価していると指摘。

「利回りの動きの一部は楽観的な成長見通しによるものだろうが、大部分はインフレの粘着性によるものだと思われる」とストラテジストは分析。金利が「間違った理由 」で急上昇するリスク、米連邦準備制度の軸足が完全に逆転するリスク、インフレが過熱するリスクはすべて高まっていると指摘した。

モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏も、金利上昇が株式のバリュエーションに与える影響について警告。米10年債利回りが4.4％を超えたところから、株式は金利に対する感応度が高まるとしている。

原題：JPMorgan’s Matejka Says Earnings Unlikely to Boost Lofty Stocks（抜粋）

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