「中学受験勝ち抜いた子」に共通する“3つのカギ” 中受での経験が、その後の大学受験でも生きる

4/20 10:32 配信

東洋経済オンライン

名門私立中学の合格をつかんだ生徒たち。その後東大に進学する子どもたちも多く、中には「東大受験より、中学受験のほうが大変だった」との声もあります。中学受験で、いったいどのような勉強をしていたのでしょうか。中学受験にも役立つ『謎解きミステリー 東大クロスワード』を上梓した、東大カルペ・ディエムの西岡壱誠さんが、中学受験で大切な3つの要素をお話しします。

■「東大受験より、中学受験ほうが大変」

 僕は「東大生の王道ルート」というものがあると思っています。東大に受かった多くの人たちの中には、共通するルートがあると考えています。

 中学受験でさまざまな勉強の基礎能力を身に付けたうえで、中高一貫の名門私立中学校に進学します。

 名門私立中学校は、教育システムがしっかりしており、東大を目指す生徒も多いため、その環境で勉強をすると、メキメキと学力がアップします。こうして受験生になるまで、着実に学力を蓄え、現役で東大に合格する……。

 東大生たちに話を聞くと、このような王道ルートで、東大の合格をつかんだ人が多く、彼ら・彼女たちは「本気で中学受験の勉強をした」と語ります。中には「東大受験よりも、中学受験のほうが大変だった」などと言う人もいるくらいです。

 今回は、名門と呼ばれるような中学に見事合格した人たちが、どのように勉強していたのかについて、3つの特徴を紹介したいと思います。

 1 予習より、復習を大事にする

 まずは、「予習より、復習を大事にする」です。

 中学受験をする子どもたちの多くは、塾に入って勉強をします。先生から配られたテキストに沿って、授業が進みます。

 塾に通い始めると、子どもたちは「予習と復習、どちらのほうを重視するのがいいか?」という悩みに直面します。

 先取りして勉強したほうがいいのか、後から振り返って復習するほうに時間をかけるのがいいのか、ということですね。

 このことについて、東大生に話を聞くと、ほぼすべての人から「中学受験においては、予習よりも復習を重視するべきだ」との答えが返ってきました。

 なぜなら、まだ小学生の間は、予習は非効率になる場合が多いからだそうです。教科書やテキストを読んで、理解を深めようと思っても、そもそも理解に時間がかかってしまったり、間違った理解をしてしまい、時間をかけた割には効果が出ないのだそうです。

 また、こんなふうに言っていた東大生もいました。「予習をして塾の授業に臨んだら、知ったつもりになってしまって、あんまり授業に集中できなくなってしまった記憶がある」と。

 小学生ならでは、という気もしますが、確かにそういう点もあるのでしょう。

■復習は、いい成績に直結する

 その点、復習はダイレクトに成績に直結する場合が多いです。「わかる」と「できる」は違う、とよく言われますよね。復習は、授業で「わかった」ことを、テストなどで出題されたときに「できる」ようになるための行程です。

 これを疎かにしてしまうと、授業では理解していても、テストでは解けず、全然成績が上がらないのです。ところが小学生の間は、「わかったから、できるようになっているはずだ」と勘違いしがちなのです。

 東大生の中には、「必ず1時間以上は塾の復習をする」と決めていたという人がいました。

 1時間と時間を決めて、その時間はどんなに「もうわかった!」と思っていても、きちんと復習して、あえて次の項目に進まないようにした結果、中学受験で合格できたと語っていた人がいました。参考にしてもらえればと思います。

 2 成績を客観視する

 次は、「成績を客観視する」です。当たり前の話ではありますが、中学受験は「勉強したから受かる」という単純なものではありません。「どれくらい勉強したか」で合否が決定するのではなく、「試験で何点取れるか」という点数の勝負です。

 ところが小学生の場合は、「勉強しているし、問題ない」と思ってしまうこともあります。逆に、「こんなに勉強しているのに、なんで成績が上がらないんだ!」と感じてしまうこともあります。

 重要なのは、とにかく客観的にデータを見ていくことです。「ここができていないんだから、できていない箇所の勉強をしなければ」と、苦手なポイントを探し、その部分をしっかり埋めていく勉強が求められるわけです。

 そして、模試や小テストは、「穴を見つけるためのもの」と捉えなければなりません。

 子どもはよく、模試の点数だけを見て、一喜一憂してしまいます。「やった70点だ!」「うーん、50点か」と。

 でも、点数はあくまで指標です。もし70点だったのであれば「残り30点、どこに穴があるのか」ということを確認しなければならないわけです。

■点数が低いほうが、自分の弱点がわかる

 そう考えれば、むしろ点数が低いほうが、自分の弱点がわかるということも言えるでしょう。

 東大生の中には変わった人もいます。ある東大生は、「満点を取ると『なんだ、今回は1個も自分の弱点がわからなかったのか』と落ち込む」と言っていました。これは極端な例ですが、それくらいのテンションでいたほうがいいときがあるのは事実でしょう。

 ちなみに「一喜一憂しない」というのは、子どもだけではなく、親御さんにも言えることかもしれません。

 成績に一喜一憂している親御さんの子どもは、「点数を取ること」だけが目的になってしまい、自分の弱点や、自分ができていないことを隠そうとする傾向にあります。あくまでも、親御さんは客観的な立場でいてあげてください。

 3 元気で勉強し続けられる体力を持つ

 最後は、「元気で勉強し続けられる体力を持つ」です。当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、これがいちばん大事です。

 子どもは自分の体調管理に対してまだ理解ができておらず、頑張りすぎてしまったり、無理をしてしまうこともあります。

 親御さんは、お子さんが体調を崩さないよう、手洗いやうがい・水分補給などにきちんと気を配ってあげる必要があると言えるでしょう。

 今回東大生で中学受験でもいい結果を得ていた人たちに話を聞くと、「規則正しい生活をしていた」と答える人が圧倒的に多かったです。

■勉強する時間もきっちり決める

 夕食の時間やお風呂の時間がしっかりと決まっていて、「何時間でも勉強しよう!」というのではなく、「1日2時間勉強で、それ以上はダメ」というように、勉強時間自体にも制限があるような家庭も多かったです。

 受験は短距離走ではなく、マラソンです。長く続けていくという意識の中で努力を続けられる人のほうが合格しやすいということですね。

 ということで、名門中学に合格した東大生たちの3つの特徴でした。

 これらの努力の仕方は、その先の人生にも必ず生きるものであり、「中学受験での経験が、大学受験でも生きた」という人も多かったです。みなさんぜひ参考にしてみてください。

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最終更新:4/20(土) 10:32

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