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日本株大混戦へ…!「円高×株安」の連鎖がはじまった今が買い!「大乱調相場」を生き残るプロが厳選した「珠玉の9銘柄」を一挙公開する!

3/20 6:32 配信

マネー現代

日銀「緩和終了」で乱調相場へ

(文 大川 智宏) 好調をつづけてきた日本株だが、足元で調整含みの「乱調相場」の様相を呈してきた。

 前編『「金融緩和終了」で起こる「円高×株安」の大乱調相場…! 日銀・植田総裁の「決断」を機に「下がらない! &期待大!」の超優良株を探してみた! 』で指摘したとおり、背景にあるのは、米FRBの利下げ期待と日本銀行のマイナス金利撤廃などの引き締め懸念だ。そのため、円高ドル安が進行しやすい地合いとなっており株価は乱調をきたしている。

 これまで日本株の上昇の原動力であった円安から、日米の政策転換を機に円高へのトレンドへと流れが変化するため、需給も同様に逆流が始まるのは自然なことだ。

 今後は、突発的な急落には注意が必要だろう。

 では、このような相場環境では、投資自体を避けるべきなのかというと、そうとは言い切れない。これまで相場全体を押し上げたのは大型株であり、今後は放置されてきた銘柄に光があたりはじめる環境となる可能性が高いからだ。

 そんな中小型株は、これまでの上昇相場から大きく出遅れていることもあり、大幅な下落リスクは小さく、かつこれからはじまる乱調相場の中で買いが入り、大きく上昇することも期待できる。

 そこで今回、筆者は様々な厳しい条件を課して、中小型株996銘柄から珠玉の銘柄を検討した。結果、抽出された銘柄はたったの「9銘柄」だ。そこから浮かび上がるのは、これからの乱調相場を悠然と生き残り、さらに将来性も抜群の「鋼の鎧」を身にまとった銘柄である。

 以下、その抽出方法を克明に解説し、注目するべき珠玉の9銘柄を公開していこう。

996銘柄の中から選び出された「希少銘柄」

 足元の「乱調相場」の地合いでは、どのような中小型株が魅力的といえるのだろうか。いくつかの切り口は存在するが、今回はシンプルかつ強固な要素を組み合わせて銘柄を選定していくことにする。

 まず、前提となる中小型株の定義だが、TOPIXを構成する2149銘柄の現時点の時価総額の中央値が590億円程度であるため、500億円がざっくりとした大型株と中小型株の境界線となってくるだろう。現在の該当数は996銘柄だ。

 続いては、需給面だ。前述の通り、日経平均株価が大きく下落する際に、中小型株は底堅さという特性を存分に発揮することが強みである。

 しかし、当然ながらすべての中小型株がその強みを保有しているわけではないため、その点を定量的に検証していく必要があるだろう。

波乱相場に強い「防御力」

 今回は、単純にコロナ・ショックから反転を始めた2020年3月末から現在に至るまでの期間で、日経平均株価が1%以上の強い下落を見せた日のみに限定して各銘柄の騰落率を平均し、下落相場に対する耐性値を観察することにした。

 結果を言ってしまうと、残念ながら日経平均株価が1%を超えて下落する相場環境において、平均騰落率がプラスとなるやんちゃな銘柄は存在しなかった。しかし、マイナス1%の基準の半分のマイナス0.5%以上であれば、市場の下落の半分以下しかダメージを受けないという高い「防御力」を有した銘柄といっていいだろう。

 また、そういった需給面の耐性があっても、ただでさえ事業リスクが高い中小型株について、業績を完全に無視することはさすがに危険だろう。そこで、気休め程度ではあるが、今期予想で営業増益が予想されているという点も条件に加えておきたい。

 ちなみに、中小型株はアナリストにカバーされていない銘柄の方が多く、長期のコンセンサス予想が取得できないために今期の会社予想を使用して営業増益率を算出している。

注目したい「配当銘柄」

 さらにもう一点、見ておくべき補強要素がある。それが、配当利回りだ。なぜ配当利回りを現在のような相場見通しの不安定な局面で注目すべきなのかといえば、配当は「下方硬直性」が強いことで知られるからだ。配当は、利益の減少に比して減配されにくいことが定量的に分かっている。

 図:TOPIXの一株当たり利益と一株当たり配当の推移

 経営者の視点で考えても、減配や無配転落は株主に対する裏切り行為であり、発表時に株価が急落することは当人たちも認識していると思われ、安易な決断ができないという事情もあるだろう。

 そのため、株価が下落したとしても、その利回り分の配当は確保できる可能性が高いため、高配当利回り株はしばしばリスク回避時の資金の逃避先として好まれる場合がある。

ディフェンシブは高配当から

 加えて、逆張りの投資家、つまり株式市場の下落時に買い向かって株価を下支えする投資主体は、言うまでもなく個人投資家である。そして、この個人投資家は、高配当利回り株へ好んで投資をすることで知られている。

 特に、今年から新NISAの開始に伴って新規の個人投資家も急増し、彼らの買いの需給が少なからず株式市場に影響を与えていることは疑いないだろう。

 このことから、配当利回りが一定の水準に達しているかを見ることが、その銘柄の防御力をさらに高めることにつながるだろう。前述のように、中小型株は成長過程にある企業が多く、事業投資を優先せざるを得ない事情もあり、大型の成熟企業と比較して十分に株主還元が実施できない銘柄も存在する。

 そのため、基準としては市場平均のレベルを上回っていれば十分な水準と判断して良いだろう。現在、TOPIXの予想配当利回りは2.3%程度なので、これ以上の配当利回りであれば中小型株としては魅力的な水準感だ。

一挙公開!波乱相場に圧倒的に強い「珠玉の9銘柄」

 そして、中小型株996銘柄のうち、この厳しい条件を満たす「鋼の鎧」を身にまとった強固な銘柄は、わずかに9銘柄のみであった。参考までに掲載しておく。

 図:鋼の鎧を身にまとう「防御力全振り」の中小型成長株

 さらに連載記事「まだある「日本の割安株」…! 絶好調の東証「‟割安”企業一覧」入りを目指す、プロ厳選「珠玉の15銘柄」を一挙公開する!」では、東証PBR改革で有望視される「割安銘柄」についても詳しく紹介しているので、ぜひ参考としてほしい。

マネー現代

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最終更新:4/15(月) 12:36

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