アラムコ、配当を310億ドルに据え置き-赤字のサウジ財政支える

5/7 17:44 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、減益にもかかわらず、サウジアラビア政府とその他の投資家に支払う1-3月(第1四半期)の配当を310億ドル(約4兆7800億円)に据え置いた。財政赤字に陥っているサウジ経済にとっては恵みとなる。

7日付の発表資料によると、1-3月期の純利益は前年同期比14%減の273億ドルだった。営業活動によるキャッシュフローから設備投資を差し引いた同期のフリーキャッシュフローは228億ドルと、配当総額を下回った。

原油価格がサウジの財政均衡に必要な水準を下回っている状況下で、世界最大の原油輸出業者であるアラムコによる手厚い配当が政府にとって重要度を増している。ムハンマド皇太子は、未来都市「NEOM」の建設など膨大な支出を伴うプロジェクトを推し進めている。

ブルームバーグ・エコノミクスによれば、政府系ファンドによる国内支出を含むサウジの財政収支を均衡させるには、原油価格が1バレル=108ドル程度になる必要がある。指標の北海ブレント原油先物は7日の取引で84ドルを下回る水準で推移している。

アラムコは、特別配当を含む今年の配当総額が23年を上回ることを明らかにしており、これによって膨大な歳出計画の一部を支える見通し。シェルやBPなどの石油メジャーも株主還元を優先する姿勢を維持している。

アラムコ株は7日のリヤド市場で反発して取引を開始。前日の終値は0.2%安と、年初来の下落率は9.2%に達していた。

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原題:Aramco Keeps $31 Billion Payout Amid Saudi Budget Deficit (1)(抜粋)

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最終更新:5/7(火) 17:44

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