実質的な負担はゼロってホント?「子ども・子育て支援金」後期高齢者は月額いくら徴収される?

1/18 11:10 配信

LIMO

2026年は、昨年に引き続き、お金に関するさまざまな制度に動きがある年です。社会保険の適用拡大が実施されるほか、現在の基礎年金額も改定されるでしょう。

そして、4月からは「子ども・子育て支援金」の徴収が始まります。

この支援金は、年齢や世帯人数にかかわらず徴収されるものです。そのため、75歳以上の後期高齢者も対象になります。後期高齢者の場合、月額いくらの支援金が徴収されるのでしょうか。

この記事では、後期高齢者の子ども・子育て支援金の負担額について解説します。

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子ども・子育て支援金の概要

子ども・子育て支援金とは、少子化対策のための財源として徴収されるお金です。2023年に策定された、子ども未来戦略「加速化プラン」にもとづき、この4月から始まる予定です。

徴収された支援金は、以下のような子育て施策の財源として使用されます。

 ・児童手当の抜本的な拡充:所得制限を撤廃、高校生年代まで延長、第3子以降は3万円に増額(2024年10月~)
 ・妊婦のための支援給付(出産・子育て応援交付金):妊娠・出産時に10万円の経済支援(2025年4月~)
 ・乳児等のための支援給付(こども誰でも通園制度):月一定時間までの枠内で、時間単位等で柔軟に通園が可能な仕組みの創設(2026年4月~)
 ・出生後休業支援給付(育休給付率の手取り10割相当の実現):子の出生後の一定期間に男女で育休を取得した場合に、育児休業給付とあわせて最大28日間手取り10割相当となるよう給付の創設(2025年4月~)
 ・育児時短就業給付(育児期の時短勤務の支援):2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合に、時短勤務中に支払われた賃金額の10%を支給(2025年4月~)
 ・国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料の免除措置:自営業やフリーランス等の国民年金第1号被保険者について、その子が1歳になるまでの期間の国民年金保険料を免除(2026年10月~)
なかにはすでに給付や拡充が始まっているものもあります。この費用は、国がいったん立て替える形で補填している状況です。

●後期高齢者は医療保険料とあわせて徴収
子ども・子育て支援金の徴収は、公的医療保険料に上乗せする形で行います。会社員や公務員は社会保険(健康保険)料、個人事業主や年金受給者は国民健康保険料、75歳以上の人は後期高齢者医療保険料に上乗せされます。

このため、今回の支援金徴収は実質的な社会保険料の増額と捉える人もいるでしょう。厳密には、子ども・子育て支援金は社会保障ではなく子育て施策のみに使うことが決まっています。また、政府の試算では、社会保障改革により支援金の負担は実質的にゼロになる見込みです。そのため、今回の負担を必要以上に不安に捉える必要はありません。

とはいえ、新たにお金を徴収するとなれば、家計にとっての不安はつきものです。次章では、年金収入別に実際に負担する金額をシミュレーションしてみましょう。

【年金収入別】実際の負担額をシミュレーション

子ども・子育て支援金の負担額は、一律ではありません。その人の年収に応じて、負担額が変わります。後期高齢者は年金が収入のほとんどを占めます。年間の収入が年金のみと仮定した場合を例に、いくつかの金額に分けて月あたりの負担額を見てみましょう。

 ・年収80万円:50円
 ・年収100万円:50円
 ・年収125万円:50円
 ・年収150万円:50円
 ・年収175万円:100円
 ・年収200万円:200円
年金(厚生年金+基礎年金)の平均受給月額は、15万289円となっています。そのため、年収180万円前後が後期高齢者の年収のボリュームゾーンと考えられるでしょう。100~200円程度と月あたりの金額は決して高額ではありませんが、年間では1000~2000円以上の金額がかかります。

私的年金などの備えがあり、年収200万円を超える場合は、300~700円台と急激に負担が増えます。年間で5000円~7000円ほどと、負担は軽くありません。

なお、後期高齢者全体の平均負担額は200円となる見込みです。

次章では、子ども・子育て支援金のポイントや注意点を解説します。

子ども・子育て支援金のポイント・注意点

子ども・子育て支援金のポイントとして、低所得者は負担額が軽減される点が挙げられます。前述の年収別の負担金額のうち、以下の年収に該当する場合は支援金の負担額が軽減されます。

 ・年収80万円:均等割7割軽減
 ・年収160万円:均等割7割軽減
 ・年収180万円:均等割5割軽減
 ・年収200万円:均等割2割軽減
こうした措置があるため、ほかの健康保険の被保険者よりも負担額が抑えられているのです。所得が少ない人にも適切な配慮がされた制度となっています。

注意点としては、今後3年間で負担額が増えていく予定であることです。前述の金額は、2026年度の負担額です。2027年度、2028年度は金額がさらに増える予定となっています。2028年度までの見込み負担額を見てみましょう。

全体平均額

 ・2026年:250円
 ・2027年:350円
 ・2028年:450円
後期高齢者医療保険

 ・2026年:200円
 ・2027年:250円
 ・2028年:350円
後期高齢者も、3年で月額平均150円の負担増が見込まれています。実質負担なしとなる予定であっても、家計にとってプラスが生まれるわけではないため、注意が必要です。

まとめ

後期高齢者も、4月からの子ども・子育て支援金の徴収対象です。支援金額は月額数百円程度で、実質的な負担もない見込みですが、家計にとっては本来浮くはずの社会保険料が手元に残らないことから、多少なりとも影響を及ぼします。

年金を急激に増やすのは難しいため、年金以外の備えが十分にあるか、家計のなかで無駄な支出がないか、あらためて見直しておくとよいでしょう。

参考資料

 ・こども家庭庁「加速化プランによる子育て支援の拡充と子ども・子育て支援金」
 ・こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度のQ&A」
 ・こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度の概要について」
 ・厚生労働省「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・こども家庭庁「子ども・子育て支援金 医療保険制度ごとの年収別試算」

石上 ユウキ

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最終更新:1/18(日) 11:10

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