アップル、AI戦略で成長ストーリー示せるか-市場はひとまず評価

4/13 2:04 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米株式市場は今年、将来の成長ストーリーを示せていないとしてアップルに厳しい審判を下してきた。だが、ハイテクの巨大がその回答を示す最初の一歩を踏み出したことで、市場はひとまず素直に好感した。

アップルが「Mac」シリーズの刷新を準備しており、人工知能(AI)に焦点を当てて設計された新たな独自プロセッサーを搭載する予定だ、とブルームバーグは11日に報道した。これが投資家の琴線に触れ、株価は4.3%上昇。時価総額を1120億ドル(約17兆1450億円)押し上げ、約1年ぶりの好調なパフォーマンスを見せた。12日の取引では、直近でほぼ変わらずで推移している。

アップルがMacシリーズ刷新へ、新型「M4」チップ搭載-関係者 (1)

アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリンベン氏は「消費者向けハードウエアへのAI浸透に関するいかなる発表もアップルにとって非常に有益だ」と指摘。「だが、その影響の大きさはまだ分からない」と述べた。

これは足元の株価持ち直しが持続するかどうかを見極める上で鍵を握りそうだ。11日の報道に反応するまで、アップル株は昨年12月につけた史上最高値から15%下落。4600億ドル余りの時価総額を失った。株価が約1年ぶりの安値近辺に沈んでいたこともあり、安値拾いの投資家は明らかに、AI期待からアップルに見直し買いを入れることを正当化できただろう。

モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのマーケットリサーチ・戦略責任者のダニエル・スケリー氏は「アップルは復活すると思う」と指摘。常に勝ち続けてきた銘柄の負けに賭けることは難しいと述べた。

アップルの株価収益率(PER)は26倍で、マイクロソフトのような他の大型テク株よりも割安だ。ブルームバーグがまとめたデータによれば、ナスダック100指数の平均PER27倍も下回る。

スケリー氏はアップルについて「キャッシュフロー、バランスシート、自社株買いなど、ディフェンシブな資質をすべて備えている」と指摘。「製品のAI戦略を一段と明確にしていくだろう。今年ではないかもしれないが、AI対応のiPhone(アイフォーン)への期待は高まっている。言い換えれば、妙味を増している」と話した。

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原題:Apple Signal of AI Intent Unleashes $112 Billion Stock Surge(抜粋)

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最終更新:4/13(土) 2:04

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