26日の香港市場概況:ハンセン2.1%高で5日続伸、証券と不動産に買い

4/26 18:00 配信

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26日の香港市場は、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比366.61ポイント(2.12%)高の17651.15ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が149.39ポイント(2.44%)高の6269.76ポイントと大幅に5日続伸した。ハンセン指数は昨年11月23日以来、約5カ月ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は1572億4220万香港ドルに拡大し、今年最大を記録した(25日は1199億1180万香港ドル)。

投資家のリスク選好が高まる流れ。中国政府が打ち出した経済対策で、景気持ち直しが進むと期待された。中国政府は今年に入り、消費刺激や産業支援、上場企業の投資価値引き上げなどに向けた施策を相次ぎ打ち出している。企業業績の改善基調もプラス。香港で本格化している上場企業の決算では、利益の上積みや、業績持ち直しを示唆する内容が多く見られる。また、複数のファンドが中国本土株の投資判断を引き上げていることも追い風だ。(亜州リサーチ編集部)

ハンセン指数の構成銘柄では、中国不動産の上げが目立つ。龍湖集団HD(960/HK)が12.2%高、中国海外発展(688/HK)が8.2%高、華潤置地(1109/HK)が6.7%高で引けた。著名アナリストが同セクターの強気見通しを発表したことや、中国海外発展の好決算などが引き続き材料視されている。

証券セクターも急伸。国聯証券(1456/HK)が25.1%高、中国国際金融(3908/HK)が10.5%高、華泰証券(6886/HK)が7.6%高、中信証券(6030/HK)が6.8%高と値を上げた。国聯証券は民生証券を買収する意向を表明。業界再編の期待が高まった。中国政府は先ごろ、資本市場の振興策「国9条」を公表。質の高い発展を促進させることなどを盛り込んでいる。また、中国証券監督管理委員会(証監会)は昨年、技術革新やグループ運営、M&Aなどを通じた大手証券会社の強化を支援していく方針を示した。

産金セクターもしっかり。中国黄金国際資源(2099/HK)が5.0%、山東黄金鉱業(1787/HK)が4.3%、招金鉱業(1818/HK)が4.2%ずつ上昇した。金先物の先高観が強まっている。中東情勢の地政学リスクがくすぶっているほか、中国やインドなど各国中銀が外貨準備として金保有を増やしていることも金価格の上昇要因だ。

半導体セクターも買われる。ASMPT(522/HK)が6.8%高、晶門半導体(2878/HK)が5.7%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.8%高、中芯国際集成電路製造(981/HK)が2.9%高で取引を終えた。

決算動向を手がかりにした物色も続いている。石油大手の中国海洋石油(CNOOC:883/HK)が3.6%高。原油価格の上昇が寄与し、同社の1~3月期業績は2割増益と堅調だった。ほか、増益決算の銘柄では、農機メーカー中国大手の第一トラクター(38/HK)が12.6%高、通信機器・設備メーカー大手の中興通訊(763/HK)が6.3%高などとなっている。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.17%高の3088.64ポイントで取引を終了した。証券株が高い。不動産株、ハイテク株、医薬株、素材株、消費関連株、エネルギー株、インフラ関連株、空運株なども買われた。半面、銀行株は安い。公益株、海運株も売られた。

亜州リサーチ(株)


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最終更新:4/26(金) 18:02

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