10年国債入札、利回り3%目前で投資家需要試す-日銀利上げ意識
(ブルームバーグ): 財務省が1日に実施する10年国債入札は、日本銀行の利上げ観測から長期金利(新発10年国債利回り)が節目の3%に接近する中で投資家の需要を測る機会となる。
長期金利は1日に2.965%と約30年ぶりの高水準を付け、18日の日銀金融政策決定会合を前に3%に迫った。日銀の氷見野良三副総裁は先週の講演で、今後の利上げ時期やペースについて、これまで以上に物価の上振れリスクを意識し、9月を含め毎回の決定会合でしっかり検討すると語った。
BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、「9月会合を前に投資家の様子見姿勢が強まれば、10年債入札はやや低調な結果となる可能性が高い」と指摘。一方で、10年金利の3%を魅力的な水準とみて買いを増やす投資家も見込まれ、「3%を大幅に上回って金利が上昇することを抑えるだろう」と述べた。
日本の債券市場は日銀が2024年に世界最後のマイナス金利政策を解除して以降、様変わりした。金利上昇により政府や企業、家計の借り入れコストが上がる半面、国内投資家にとって海外資産と比べた日本国債の魅力は高まっている。
ただ、先週の2年国債入札は低調な結果だった。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)市場では日銀による9月の利上げが約90%の確率で織り込まれている。複数の関係者によると、高市早苗政権は早期利上げを支持しており、次回の利上げは9月か10月となる可能性が高い。
岡三証券の長谷川直也氏と木村優希氏はリポートで、「先週の2年債入札が弱い結果に終わったように、足元の地合いは悪い」と指摘。10年債入札も低調に終わった場合、3%に向けて金利上昇圧力が強まりそうだとの見方を示した。
長期国債先物9月物は1日午前の取引で一時前日比23銭安の125円74銭まで下落。10年債入札への警戒感などが重しとなっている。
ベッセント米財務長官は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が開かれているノースカロライナ州アッシュビルで、日銀の植田和男総裁や片山さつき財務相と相次ぎ会談し、日銀が利上げに踏み切ることなどが必要だという認識を日本側に伝えた。NHKが米財務省高官へのインタビューを基に1日に報じた。
7月30日から8月26日までの為替介入額が15兆3993億円と月次ベースで過去最大を更新したにもかかわらず、円相場は対ドルで160円近辺にとどまっており、日銀への利上げ圧力は増している。
高市政権の財政政策に対する懸念が超長期債の重しとなる中、投資家は3日に予定される30年国債入札にも注目している。防衛省の2027年度予算概算要求額は、過去最大の8兆8908億円となった。年内に改定する安全保障関連3文書の内容に左右される項目は金額に含まれておらず、最終的な防衛予算はさらに膨らむ見込みだ。
これらの入札で需要が低調となれば、債券売りが世界に波及し、米長期金利の上昇を抑えようとするベッセント氏の取り組みに逆風となる可能性がある。
10年国債入札の結果は1日午後0時35分に発表される。投資家は需要を測る重要な指標として応札倍率を注視する。前回8月の入札では2.56倍と、25年5月以来の低水準だった。
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Mia Glass
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