ECBのバスレ氏、米国のインフレや金融政策は完全には無視できない

4/18 18:08 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー、スロベニア銀行(中銀)のバスレ総裁は、ECBが政策を進めていく上で、米国のインフレ動向や金融政策を完全に無視することはできないとの考えを示した。

国際通貨基金(IMF)・世界銀行の春季会合のためワシントンを訪れているバスレ氏はインタビューで、ユーロ圏と米国の経済状況が異なる対応を求めているとしても、欧米の間には関連性があり、ECBの当局者はそれを考慮するだろうと述べた。

「米国の経済状況は、今のところユーロ圏とは異なっている。そのため、金融政策の対応も違ってくるのは論理的な帰結だ。しかし、この乖離(かいり)には限界がある」と語った。

ECB政策委メンバーの1人、センテノ・ポルトガル中銀総裁は先のインタビューで、 ECBは米国を参考にするのではなく、ユーロ圏の状況に基づき金融政策を決定すると述べていた。

ECBの利下げ、米国の経済や政策に誘導されず-センテノ氏

だが、バスレ氏は「米国における高めのインフレ率やインフレ持続の背景にある要因が、世界の他地域やユーロ圏でも顕在化する可能性はかなり高い」と主張。また、「欧州と米国の間には多くの貿易と金融の流れがある」とも説明した。

バスレ氏はECBの利下げ開始が6月となる公算が大きいとし、ECBの経済予測が現実に裏付けられれば、その後も追加緩和の可能性があると想定。

「現在の基本シナリオが現実のものとなれば、金利による景気抑制の水準を引き下げることはすぐに適切なものとなり、今年後半には追加措置が講じられる」との見方を示し、「金利引き下げのプロセスを開始する際には、ペースや頻度、そして着地点など、さらなるステップについても議論するのが適切だと私には思える」と話した。

一方、利下げが妨げられる可能性もあるとし、「地政学的な緊張がエネルギーやその他の価格に表れるシナリオは容易に想像できる。それを考慮に入れなければならない」と発言。

その上で、「これまでのところ、第1四半期(1-3月)の賃金データは比較的良好だ。賃金が今のところ全て順調に推移しているのであれば、インフレは緩やかになり、年間を通じて景気抑制の度合いをどんどん引き下げることのできる状態になるだろう」と語った。

原題:ECB Rate-Cut Divergence From Fed Has Limits, Vasle Says (1)(抜粋)

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最終更新:4/18(木) 18:08

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