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[20日 ロイター] - 米証券取引委員会(SEC)が提案している温暖化ガス排出量に関する情報開示について、企業に対する要求を弱める可能性があることが関係筋の話で明らかになった。SEC当局者が企業幹部やロビイストなどとの会合で伝えたという。
焦点となっているのは取引先などの供給網や製品の消費による排出量の開示を求める「スコープ3」。
SECは2022年3月、上場企業に対しスコープ3を含む気候変動リスクの開示を義務付けることを提案した。しかし企業側はデータをまとめるのが困難で法的にも問題があるとして反発している。欧州連合(EU)は2024年から大企業にスコープ3の開示を義務付けている。
関係筋によると、SECの一部当局者は企業などとの非公開会合で、スコープ3の開示を義務化すれば法的措置を受けやすくなり、仮に敗訴すれば他の規則を作成する際にSECの手を縛ることになりかねないと話した。
排出量の開示規則に関する最終決定が下されたかどうかについて、当局者は示唆しなかったという。しかし関係筋はゲンスラー委員長らSEC幹部が、スコープ3の開示義務化を撤回する方向に傾いていることがうかがえると指摘した。
SECの報道官はスコープ3と気候変動開示規則の最終決定時期についてコメントを避けた。一般からの意見聴取を踏まえて必要に応じて修正を検討し、準備が整ったと判断した場合にのみ規則の採択に進むと説明した。
ロイター
最終更新:11/21(火) 16:28
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