(ブルームバーグ): ローン担保証券(CLO)の中で最も高リスクのエクイティートランシェの復活はピークに達した可能性があり、政策金利が高止まりするとの見通しに変化があれば、悪化する可能性がある。JPモルガンのストラテジストがリポートで分析した。
10日付のリポートによると、CLOのエクイティー部分のキャッシュフローリターンは、年率換算で米国で約15%、欧州で約20%となっている。リシャド・アフルワリア氏をはじめとするストラテジストによれば「今がピーク」のように見えるという。
CLOのエクイティー部分の投資家が支払いを受けるのは、他の部分の保有者の後になる。JPモルガンのデータによると、CLOの利回りに担保付翌日物調達金利(SOFR)など指標金利が占める割合は過去13年で最大となり、利回りの残りの部分を構成するリスクプレミアム(スプレッド)は縮小している。変動金利資産への需要が背景にある。
これはCLOのエクイティー部分の投資家にとっては大きなリターンを意味するが、金利低下やレバレッジドローンの借り手の困難が増した場合にリターンが低下する可能性があるとアナリストは指摘している。
JPモルガンのアナリストは「今の市場リターンは基本的に、高金利が長期化するという政策スタンスに依存していることを理解することが重要だ。労働市場やインフレデータの弱含みによるハト派的な衝動は、変動金利のCLOへの追い風を突然やませる可能性がある」と解説した。
ブルームバーグは先週、年金基金や保険会社がエクイティートランシェに投資するファンドに資金をつぎ込んでいると報じていた。
ヘッジファンド、高リスクCLOのファンドに年金マネーを引き寄せる
原題:Returns for CLO Equity Are ‘As Good As It Gets,’ JPMorgan Says(抜粋)
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最終更新:5/14(火) 14:07
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