ラガルドECB総裁、ユーロ圏経済に明確な回復の兆しと指摘

4/18 11:54 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は17日、欧州経済は1年以上にわたって停滞に近い状態が続いてきたが、それが終わりに近づきつつあるとの見方を示した。

ワシントンで開かれた外交問題評議会でラガルド氏は、20カ国からなるユーロ圏経済は「回復しつつあり、明らかにその兆しが見られる」と語った。「リセッション(景気後退)には至っていないが、成長は極めてゆっくりで規模は小さい」とした上で、「ただ、雇用と労働市場は驚異的だ」と指摘した。

ECBは次回6月会合での利下げがほぼ確実視されている。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は16日、予想を上回るインフレ統計が続いたことを受け、金融当局が利下げ実施まで待つ期間は以前の想定よりも長くなるとの認識を示唆した。

欧州の金融緩和が長期化し、米国が同程度の金融緩和を行わなかった場合、通貨ユーロに下押し圧力がかかる可能性がある。特定の水準を目標としていないものの、当局は「非常に注意深く」為替変動を見守っていくことになるとラガルド氏は説明。「為替相場の変動がインフレに与える影響を考慮しなければならないのは明白だ」と語った。

また、中東地域の緊張もリスク要因の一つで、ラガルド氏は「われわれは、その影響を分析しようとしている」と述べた。

市場は、ECBが6月に0.25ポイントの利下げに踏み切るのはほぼ確実とみており、年内に計0.80ポイントの引き下げを予想している。

関連記事

原題:Lagarde Sees Clear Signs of Recovery in Euro-Zone Economy (1)(抜粋)

--取材協力:Bastian Benrath、Alice Gledhill.

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:4/18(木) 11:54

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング