その不調、「SNSのやりすぎ」が原因かも…「SNSの使用と身体的な健康指標との関連」驚く研究結果

2/14 17:02 配信

東洋経済オンライン

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 人類が誕生した時、まず心ができたのだろうか。それとも身体が先にできたのだろうか。

 科学や哲学、宗教に至るまで、様々な側面からこの問いは考えられてきた。
しかしながら、未だに結論は出ていない。

 もしかしたら同時にできたかもしれない。そんなことを人類は延々と考えながら、後世でも問い続けていくのだろう。

 一方で、また別の問いがある。

 「心と身体は繋がっているか?」もしくは、「心と身体は別か?」。実はこの問いに対しては、結論じみた研究結果が生まれつつある。

■SNSと身体的健康の研究

 興味深い研究結果を紹介しよう。

 2022年にニューヨーク州立バッファロー大学の研究者、デビッド・S・リー博士は、ソーシャルメディアの使用と身体的な健康指標との関連に関する研究結果を発表した。

 研究結果をお話しする前に、この研究の概要を超分かりやすく、かいつまんで説明しよう。

 この研究の目的は、先述のとおり「人々が使用するソーシャルメディアの量が身体的健康の様々な指標とどのように関連しているか」を調査することである。

 従来、ソーシャルメディアの利用が心理的幸福とどのように関連しているかについては、多くの研究がされてきた。今すぐ検索エンジンや研究機関の論考を漁れば嫌というほどレポートが出てくる。

 一方、ソーシャルメディアの利用が身体的健康とどのように関連しているかの研究は、心理的幸福の研究に比して非常に少ない側面がある。そこで本研究では、人々が使用するソーシャルメディアの量が身体的健康の様々な指標とどのように関連しているかを調査するに至った。

 要は、「SNSの心への影響だけではなく、身体への影響も調べたよ!」……そんな感じである。

 確かによく考えてみると、ソーシャルメディアを使ってみて見たくないものや知りたくないものに触れる機会は増えた。もちろん有益な情報に触れることもあるが、正直このご時世ではちょっと稀な気がする。

 誰もがおっかなびっくり、怖いもの見たさの欲求から、SNSというニーチェもびっくりの深淵を覗いている気さえする。

 見たくないものや知りたくないものを覗いてしまった瞬間、気分は害され心理的な幸福は阻害される。これは現代に生きる人なら、誰しも経験があるだろう。

 その瞬間、誰もがメンタルにダメージを受けたことを自覚できる。

 一方、じゃあそのダメージが身体にどんな影響を及ぼしたか、説明できる人はいるだろうか?  その説明に論拠を与えるべく、バッファロー大学のデビッド・S・リー博士が立ち上がったというわけである。

 研究ないし調査の方法は簡単。

 調査対象のサンプルの人々にSNSを操作させ、その後血液等の身体検査を行い、実際に起こした行動(調査期間中の体調不良による病院への往来回数等)の動向を取りまとめる、そんな手順。

 ではお待ちかねの研究結果発表である。

 ハイ、ドラムロール用意して。なければ口でやります。

 デュルルルルルルルルル……

■メンタルへのダメージから身体を壊すことが立証された

 研究の結果、

 「ソーシャルメディアの使用は、CRP値の上昇、身体症状の増加、病気のための医師や保健所への受診の増加と正の相関があった!」

 です!! !! 

 …………………………分かるかあ!! !  分かりづらいわ!!  は?  である。

 誰よりもこれを書いている私が、「は?」である。

 なんだよ、CRP値の上昇って! 

 CRP自体がなんだよ! 

 ちょっと(C)、連休で(R)、ポジティブ!! (P)の略ですか? ? 

 ハイ、ということで、また超かいつまんで説明します。

 研究の結果、

 「ソーシャルメディアを過度に使用した対象サンプルの人々は、過度に使用しなかった人に比較して、病院等の医療機関にお世話になった回数が多かった!  さらに、採取した血液からも、過度にソーシャルメディアを使用した人々は不健康の警告として解釈できるタンパク質の量が多いことが確認された!  以上!!」

 そんな感じである。

 つまり、ソーシャルメディアを過度にやりすぎると、元々身体は何もダメージを受けていないのに、メンタルへのダメージから身体を壊すことが立証されたのである。

 自分の身体から出るサインを、自分の精神が理解したことは、誰しもあるだろう。

 分かりやすい例なら、肌荒れだろう。

 仕事で極度のストレスに晒され、後日、鏡の中の肌荒れに驚いた女性は多くいるのではないだろうか。

 肌など気にしない傾向がまだ強めな現代の男性にも、もちろんあるだろう。

 だが、自分の身体から出るサインを、自分の精神が理解できなくなってしまうことも実は少なくない。

 私を例に取れば、一時期働き過ぎて瞼が痙攣し、ずっとピクピクしている期間があった。

 傍から見れば、会社で「おはよう!」と声をかけてくるくせに瞼が震えてキレている人である。挨拶してくんなよそんな奴。我ながら迷惑な存在だった。

 しかしながら、当時の私はその自信なさげに痙攣する瞼に対して「疲れている」と解釈せずに「なんかバグった」という、子供でもしないような粗すぎる解釈で乗り切ろうとしていた。

 ※ちなみに結果はもちろん、そのまま体調を壊した。

 皆さんの中にも、肌荒れに始まり、顔の浮腫み、女性であれば特有の臓器への影響など、自身の様々な体の部位が壊れていっているにもかかわらず、それに気づけなくなってしまった経験がある人は決して少なくないはずだ。

 しかし、なぜこうなってしまうのか? 

 前述した研究の背景を考えれば、もう分かった人もいるかもしれない。

 そう、実は人間は、自分の身体が出す信号にさえ気づかないことや、その状態が何を意味しているのか理解していないことがよくあるのだ。

身体から出るサインを見落としてしまう理由
 人が、自分の身体が発するサインを見逃してしまうというのは、以下の2つによって起こる。

 1つ目は、忙しすぎて生活がすさんでしまい、自分の顔を鏡で見なくなってしまうなど、自分への興味・関心が過度に薄れてしまっている場合。

 2つ目は、身体の出してくる信号を感じつつも、面倒に感じてしまい、それについて考えようともしなくなってしまう場合。

 この2つにより、人間は身体の信号に反応できず、自分を蔑(ないがし)ろにした結果、破滅の道を辿っていく。

 その一方で、「実際に血が出ているわけでもないし、殴られて健康を阻害されたわけでもないんだ!  大丈夫だろ!」と、気迫に満ち溢れた堂々たる発言をされる立派な方もいる。

 しかし、それは間違いだ。冒頭の研究結果を思い出してほしい。

 実際に物理的に殴られていなくとも、SNSを見るだけでも、健康は阻害されて病院にまで通っているではないか。

 この事実を無視してはならない。

 あなたは、血を流していないだけ。物理的に顔が腫れていないだけ。

 実際はダメージを負って、健康でなくなっているかもしれないのだ。

 それを必死に身体がサインにして送ってくれている。

 勇ましいあなたの精神に、そして本来大事にするべきあなた自身に。

 そのサインを無視してはいけない。肌荒れと侮るなかれ、あなたの肌は地続きで1枚の皮膚であり代えは利かない。瞼も同様、数えても2枚しかないぞ。スペア持ってないでしょ? 

身体から出るサインを考える癖をつけよう
 ここからはお待ちかねの対処法である。

 まず、先ほどのおさらい。

 どんなに身体から出るサインがあったとしても、気づかなければ対処できない。

 次に、気づかなければそれが何を意味するのか分からない。

 この問題に対処しよう。

 まず、気づくためにお勧めしたいのは「自身との対話」である。

 毎朝、洗面台に立つ際に自分の身体を見つめてほしい。

 肌荒れはないか?  浮腫んでないか?  傷はないか?  血色はどうだ? 

 このように、自分と対話するように点検作業を行うのだ。

 少しでも気になるところがあれば、次の段階に移行する。

 次の段階では、「身体からのサインが何を意味するか究明する」。これだ。

 やり方はそれぞれだが、一番いいのは原因を考えることだろう。

・明らかに顔が浮腫んでいる
 ⇒原因はきっと、昨日深夜までアルコールを飲んでいたことだ。今日は水を多めに飲もう。

・睡眠は取っているのに肌荒れがひどい
 ⇒突然荒れたところから見ると、最近抱えているストレスが原因かもしれない。ストレスの根源を断てるか考えてみよう。

 このように、自分の身体のサインをしっかりと確認し対策を取ることが、見えないダメージへの対処になり得る。

 身体から出るサインを見逃してはならない。それはあなた自身の健康管理にとって、何より重要な情報なのだから。

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最終更新:2/14(金) 17:02

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