ボーイングの信頼巡る危機、航空会社の成長計画も狂わす-採用凍結も

3/13 3:10 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米ボーイングの信頼性を巡る危機は、同社製の機体を購入する航空会社にも波及しつつある。

ユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスやサウスウエスト航空、デルタ航空、アラスカ航空などが集まった12日の業界会合では、ボーイングの問題が各社のビジネスにどう影響を及ぼしているかについての話が多く聞かれた。最も顕著だったのは、ボーイングの生産が滞っていることで、航空会社が以前から運航を計画していた機体が不足していることだ。

問題は今年だけにとどまらない。JPモルガン・チェース主催の投資家会合でユナイテッドのスコット・カービー最高経営責任者(CEO)は、ボーイングに「737MAX10」の製造を中止するようと伝えたと明らかにした。当局からの認証スケジュール極めて不透明であることを理由に挙げている。

ボーイングの「MAX-10」、ユナイテッド航空が製造中止を指示

サウスウエスト航空は、「737MAX7」を今年受け取る見込みはなく、他のボーイング機の納入台数もわずか46機にとどまるとの見通しを示した。従来予想は79機だった。航空機納入の減少に対応するため、サウスウエストは今年の運航能力を削減するほか、ほとんどの人員採用を中止し、支出計画を見直す方針だ。

サウスウエスト株下落、ボーイング問題の影響で人員採用を凍結

1月5日にボーイング機でのドアプラグ吹き飛び事故が起きたアラスカ航空はこの日、機体納入に関する不確実性のため、今年の運航能力見通しは依然として「流動的」だと述べた。

米国以外の航空会社にも影響は及んでいる。アイルランドの格安航空会社ライアンエアー・ホールディングスは今月1日、年間旅客数の予想を従来の2億500万人から2億人弱に引き下げた。ボーイングからの機体納入が当初予定の57機ではなく、40機にとどまるというのが理由。

航空業界のトップらはボーイングに対し、深刻化する問題に早急に対処するよう求めている。サウスウエストのボブ・ジョーダンCEOは会合で、ボーイングは「問題を理解し、解決する」必要があると指摘。「ボーイングが2年後、5年後、10年後により強くなっている必要がある。それは納期の遅れよりも優先される。我々は皆、ボーイングがより良くなることを必要としている」と語った。

原題:Boeing Crisis Derails Airlines’ Growth Plans as Output Stalls(抜粋)

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最終更新:3/13(水) 3:10

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