【60歳代・70歳代】いまどきシニアの平均貯蓄額はいくら?《65歳・70歳・75歳以上》老後の無職世帯、1カ月の家計収支も確認

1/10 19:30 配信

LIMO

定年後は収入が「年金中心」となるため、現役時よりも毎月の支出額を正しく把握しておくことが、老後の不安を軽減するうえで欠かせません。

本記事では、65歳・70歳・75歳の年代ごとに、シニア世帯の「リアルな生活費」を紹介していきます。

記事の後半では、60歳代・70歳代の平均的な貯蓄状況も紹介しているので、新しい年を迎える1月の家計見直しの参考として、あわせてご覧ください。

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【老後のリアル】シニアの半数以上が「生活が苦しい」と感じている

まずは、現代シニアの「リアルな生活状況」から確認していきましょう。

厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯では4人に1人を上回る割合の人が、深刻な家計の厳しさを抱えていることがうかがえます。

高齢者世帯における生活意識の割合は、以下のとおりです。

 ・大変苦しい:25.2%
 ・やや苦しい:30.6%
 ・普通:40.1%
 ・ややゆとりがある:3.6%
 ・大変ゆとりがある:0.6%
生活に余裕があるとした世帯は合計でも4.2%しかおらず、多くの高齢者世帯が「普通」または「苦しい」と感じているのが実情です。

「ややゆとりがある」「大変ゆとりがある」と答える人が非常に少ない背景には、年金中心の収入となる高齢期の家計が、物価上昇などの影響を受けやすい構造があると考えられます。

では、シニアの家計収支はどのようになっているのでしょうか。

【年代別】65歳・70歳・75歳の「生活費」はいくら?

総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上・無職世帯の家計収支は以下のとおりです。

●【65~69歳】毎月の「平均的な生活費」はいくら? 
65~69歳の世帯では、1か月あたりの生活費が35万2686円となっており、その内訳は次のようになっています。

 ・消費支出:31万1281円
 ・非消費支出:4万1405円
一方で、実収入は30万7741円にとどまるため、毎月4~5万円ほど不足する可能性がある状況です。

●【70~74歳】毎月の「平均的な生活費」はいくら? 
70~74歳の世帯では、1か月の生活費は30万3839円となり、内訳は次のとおりです。

 ・消費支出:26万9015円
 ・非消費支出:3万4824円
65~69歳に比べると支出は約5万円少ないものの、実収入も27万5420円まで減少するため、平均すると毎月2~3万円の不足が生じています。

●【75歳以上】毎月の「平均的な生活費」はいくら? 
75歳以上の世帯では、1か月あたりの生活費が27万3398円となり、内訳は次のようになっています。

 ・消費支出:24万2840円
 ・非消費支出:3万558円
実収入は25万2506円となっており、他の年代より赤字幅は小さいものの、毎月およそ2万円の不足が続いている状況です。

上記データを見ると、年代を問わず支出が収入を上回っており、いずれの世帯でも赤字が発生していることがわかります。

とはいえ、これらはあくまでも平均値であり、実際の家計状況には個々の世帯で大きな違いがあるため、年金の受給見込みや日常的な支出額を自身で把握しておくことが欠かせません。

また、老後の不足分を補う方法としては「働くこと」や「蓄えを取り崩すこと」が挙げられますが、そもそもシニア世帯の貯蓄は平均してどの程度あるのでしょうか。

次章にて、年代別の平均貯蓄額について見ていきましょう。

【年代別】60歳代・70歳代の「平均貯蓄額」はいくら?

続いて、J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」を参考に、二人以上世帯における60歳代・70歳代の平均貯蓄額を確認していきましょう。

●60歳代・70歳代の「平均貯蓄額」と「貯蓄割合」を見る
 【60歳代】

 ・平均:2683万円
 ・中央値:1400万円
 ・金融資産非保有:12.8%
 ・100万円未満:4.7%
 ・100~200万円未満:3.9%
 ・200~300万円未満:3.0%
 ・300~400万円未満:2.8%
 ・400~500万円未満:1.8%
 ・500~700万円未満:6.2%
 ・700~1000万円未満:6.3%
 ・1000~1500万円未満:8.9%
 ・1500~2000万円未満:8.0%
 ・2000~3000万円未満:12.4%
 ・3000万円以上:27.2%
平均値では2000万円を超えていますが、より実態に近いとされる中央値は1400万円です。

貯蓄額の分布を見てみると、「金融資産をまったく持たない世帯が12.8%」「3000万円以上の資産を保有する世帯が27.2%」という状況が示されています。

この割合からも、貯蓄が全くない層と、十分な蓄えを持つ層がはっきり分かれていることがうかがえます。

 【70歳代】

 ・平均:2416万円
 ・中央値:1178万円
 ・金融資産非保有:10.9%
 ・100万円未満:4.5%
 ・100~200万円未満:5.1%
 ・200~300万円未満:3.7%
 ・300~400万円未満:3.9%
 ・400~500万円未満:2.9%
 ・500~700万円未満:6.4%
 ・700~1000万円未満:6.7%
 ・1000~1500万円未満:11.1%
 ・1500~2000万円未満:6.7%
 ・2000~3000万円未満:12.3%
 ・3000万円以上:25.2%
貯蓄額の分布を確認すると、70歳代では金融資産を持っていないと答えた世帯が全体の約1割(10.9%)を占めています。さらに、100万円未満の世帯は4.5%、100万~200万円未満が5.1%と、比較的少額の貯蓄しかない世帯も一定数存在します。

加えて、平均値と中央値の差が大きいことから、貯蓄額のばらつきが顕著であり、世帯間の貯蓄格差が拡大している様子がうかがえます。

シニアが抱える家計の厳しさと老後の収入の現実

ここまで年代別の生活費や貯蓄状況を見てきましたが、実収入だけでは支出を賄えず、毎月赤字に陥る世帯が少なくないことが分かりました。

赤字が続いても、十分な貯蓄や安定した収入があれば補えますが、実際には貯蓄がほとんどない家庭も一定数存在します。

また、厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を見ると、国民年金は平均で5万円台、厚生年金も15万円台にとどまり、生活費を支える収入としては決して十分とは言えません。

年金に生活の多くを依存するシニアにとって、家計の負担はより重く感じられるのが現実です。

こうした状況を少しでも支えるために利用できる制度の一つが、次に紹介する「年金生活者支援給付金」です。

●年金が少ない人への公的支援「年金生活者支援給付金」とは? 
年金生活者支援給付金は、収入が十分でなく、日常生活の負担が大きい高齢者世帯を対象とした補助制度です。

給付を受けるには、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」のいずれかを受給していることが前提となり、加えて複数の条件を満たす必要があります。

ここでは、シニア層が特に関わりの深い「老齢年金生活者支援給付金」について、その支給要件と基準額を確認していきます。

●「老齢年金生活者支援給付金」はどんな人が受け取れる? 
「老齢年金生活者支援給付金」は、以下の要件をすべて満たしている方に支給されます。

 ・65歳以上で老齢基礎年金を受けている。
 ・請求される方の世帯全員の市町村民税が非課税となっている。
 ・前年の公的年金等の収入金額とその他の所得(給与所得や利子所得など)との合計額が90万9000円以下である。
次章では、「老齢年金生活者支援給付金」の基準となる給付額について確認していきます。

●「老齢年金生活者支援給付金」の支給対象だといくらもらえる? 
日本年金機構が公表した「令和7年4月分からの年金額等について」によれば、2025年度の「老齢年金生活者支援給付金」の給付基準額は次のとおりです。

基準額どおりに受け取ると、2か月分がまとめて支払われるため、1回あたりの支給はおよそ1万円となり、年間では約6万円ほどになります。

ただし、この金額はあくまでも目安であり、実際の支給額は「保険料の納付期間」や「免除されていた期間」などを考慮して算定されるため、個人によって異なる点に注意が必要です。

また、この給付金は申請が必要な仕組みとなっているため、要件を満たす場合は忘れずに手続きを行いましょう。

老後の家計を安定させるために必要なこととは

本記事では、65歳・70歳・75歳の年代ごとに、シニア世帯の「リアルな生活費」を紹介していきました。

60歳代・70歳代のシニア世帯では、どの年代でも実収入より支出が多く、家計が赤字になりやすい状況が続いています。

また、貯蓄額には大きな幅があり、全く資産を持たない世帯から、数千万円の貯蓄がある世帯まで、その状況は一律ではありません。

こうした点を踏まえると、老後の不安を軽減するには、まず自身の年金受給見込みや日々の支出額を把握し、現在の家計状況を正確に確認しておくことが欠かせません。

さらに、条件に当てはまる場合は「年金生活者支援給付金」などの公的制度を利用することで、家計の負担を軽減できます。

老後資金の準備は、早めに取り組むほど選択肢が広がるため、ご自身やご家族に合った方法を検討してみてください。

参考資料

 ・厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
 ・総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2024年(令和6年)平均結果の概要」
 ・J-FLEC(金融経済教育推進機構)「家計の金融行動に関する世論調査 2025年」
 ・厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 ・厚生労働省「「年金生活者支援給付金制度」について」
 ・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」

中本 智恵

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最終更新:1/10(土) 19:30

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