【為替本日の注目点】ナスダックとS&P500は最高値を更新

5/22 10:06 配信

サーチナ

 東京時間に156円台半ばを超えたドル円はNYでは金利が低下したことで155円85銭まで売られる。ユーロドルは1.08台半ばを中心に小動き。株式市場は3指数が揃って買われ、ナスダックとS&P500が最高値を更新。債券は買われ、長期金利は4.41%台に低下。金は反落し、原油は続落。

ドル/円 155.85 ~ 156.42
ユーロ/ドル 1.0843 ~ 1.0871
ユーロ/円 169.13 ~ 169.89
NYダウ +66.22 → 39,872.99ドル
GOLD -12.60 → 2,425.90ドル
WTI -0.54 → 79.26ドル
米10年国債 -0.031 → 4.412%

【本日の注目イベント】
日 4月貿易統計
欧 ラガルド・ECB総裁、欧州証券市場監督機構イベント向けメッセージ
英 英4月消費者物価指数
米 4月中古住宅販売件数
米 FOMC議事録(4月30-5月1日開催分)
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、開会挨拶

 連日FOMCメンバーによる発言が相次いでいますが、昨日もその発言にドル円は売られ、米金利が低下したことで株価は上昇。「エヌビディア」の決算発表を待つ雰囲気の中、ナスダックとS&P500が揃って最高値を更新しています。

 「私がまだ教授で、このインフレ統計に成績を付けるとすれば、『Cプラス』を与えるだろう。落第から程遠いが、優秀とも言えない」、足許のインフレについてウォラーFRB理事は講演でこう述べました。理事は、「最新のCPIはインフレが加速していないという良い兆候であり、消費と労働市場に関するデータはインフレを押し下げる圧力を加えるという意味で、金融政策が適切に設定されていることを示唆していると私には見受けられる」と説明し、追加利上げについては、「おそらく不要だろう」との見方を示しました。
 またバーFRB副議長はダラス連銀で行われたイベントで、「われわれは以前考えていたより長い間、現在の金利を据え置く必要がある。そうするのに良好な状況だと考えている」と発言しています。一方、利下げに対して現時点では最も楽観的な見方を示していたアトランタ連銀のポスティック総裁は現行の金融政策について、「インフレは今後も緩やかに鈍化する」との見方を改めて示し、「米金融当局は10-12月に利下げを開始できる可能性が高い」と述べていました。

 トランプ氏は、自身が今年の大統領選での勝利を想定した動画をソーシャルメディアに投稿しました。この動画では、トランプ氏が勝利した場合に流れる可能性のあるニュースの見出しの一つとして「統一帝国(unified reich)」という表現が用いられており、ホワイトハウスは「危険かつ侮辱的だ」として、激しく批判しています。ホワイトハウスのベイツ報道官は声明で、「アドルフ・ヒトラー率いるドイツのナチス政権に関連したコンテンツを広めることは、それが誰であれ、忌まわしく、強い不快感を引き起こす恥ずべき行為だ」と言明しました。(ブルームバーグ)(「reich」という言葉は、第2次世界大戦前にナチス政権が用いたドイツの異称である「第三帝国」と関連付けられることが多いと説明されています。)

 財務大臣の諮問機関である「財政制度審議会」は21日、「長期金利が1%に迫る中、金利上昇に伴う利払い費の増加リスクに備えて、財政健全化の取り組みを継続するよう」鈴木財務大臣に求めました。財務省の試算によると、来年度以降に金利が1%上昇した場合の国債利払い費の増額は、2033年度に8.7兆円へと段階的に増えるとのことです。
 今年度、国債の返済や利払いにあてる「国債費」は過去最高の約27兆100億円が計上されており、一般会計総額のおよそ4分の1を国債費が占めています。2020年度のコロナパンデミック以来、国の歳出は一気に膨れあがり、その後も防衛費の増大もあり、2024年度予算は過去最高の127兆円余りとなっています。今後日本の長期金利が何かの影響で急騰した場合、利払いが一気に増えることになります。この点からも、日銀は金利を大きく引き上げにくいと見られているようです。いわゆる「国の借金」は2023年末時点で、過去最大の1286兆円程あります。

 本日のドル円は155円50銭~156円80銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

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最終更新:5/22(水) 10:06

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