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先進国の超大型・グロース株が活躍する市場で新興国・小型・バリュー株ファンドの高パフォーマンスが異彩

3/25 17:03 配信

ウエルスアドバイザー

 日米欧の主要株価が史上最高値に上昇しているが、その株価上昇で主役になっているのは、超大型株だ。米国の「マグニフィセント・セブン(アップル、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディア、メタ、テスラ、アルファベット)」、欧州の「グラーノラス」11銘柄(英のGSK、ロシュ、オランダのASML、スイスのネスレ、ノバルティス、デンマークのノボノルディスク、仏のロレアル、LVMH、英のアストラゼネカ、独のSAP、仏のサノフィ)、そして、日経平均株価が史上最高値の4万円台に達している日本株でも時価総額が大きい「TOPIX Core30」の上昇が顕著だ。先進国の超大型株という流動性に優れた株式が選好されているイメージだ。その中で、新興国の小型株を投資対象とした「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」が好パフォーマンスを残していて注目される。
 

 「ビッグデータ新興国小型株ファンド(1年決算型)」は、新興国の小型株(時価総額30億米ドル未満)約5500銘柄を投資対象とし、割安と判断される銘柄でポートフォリオをつくって運用している。新興国の小型株式にはアナリストが調査をしていない銘柄も少なくないことから、ビッグデータを活用し、計量モデルを用いて個別銘柄のバリュエーション、および、収益見通し等を分析し適正株価を算定、市場価格と比べて割安に評価されている銘柄を見出すようにしている。ビッグデータの分析等は、同ファンドの実質的な運用者であるアクサ・インベストメント・マネージャーズが行う。2024年2月末現在の保有銘柄数は415銘柄と、広く分散したポートフォリオになっていることも特徴だ。国・地域別投資比率は、インドが24.4%でトップを占め、台湾が23.5%、韓国が11.8%、香港が5.4%、サウジアラビアが4.1%などとなっている。
 

 同ファンドを設定・運用する日興アセットマネジメントが3月25日に公表した特別レポートによると、同ファンドが設定された2019年10月末から2024年2月末までに、先進国株式の時価総額は1.46倍、新興国株式の時価総額は1.40倍に拡大したことに対し、新興国小型株の時価総額は1.74倍と経済成長の恩恵を受けて大きく拡大している。また、新興国小型株のEPS(1株当たり利益)も堅調に推移し、2024年、2025年と新興国全体や先進国の企業を上回るEPS成長率が期待されるとしている。
 

 同ファンドの3年トータルリターンは年率22.44%で、米国株を代表する「S&P500(配当込み、円ベース)」の25.31%にはわずかに及ばなかったものの、新興国株価指数「MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円ベース)」の4.46%はもとより、米国ハイテク株の比率が高い「NASDAQ総合(円ベース)」の19.90%をも上回る成績になっている。過去1年間では「NASDAQ総合(円ベース)」の53.70%、「S&P500(配当込み、円ベース)」の42.97%には届かなかったものの、40.70%という高い成績だった。
 

 一般に新興国市場は、中国の不振によってインドなど限られた国が注目されがちで、新興国市場全体を捉えた投資信託は、現在の市場では敬遠されがちだ。まして、調査の目が届きにくい新興国の小型株は、投資対象として検討される機会すら少ないといえよう。しかし、同ファンドの設定来のパフォーマンスを振り返ると、2020年3月のコロナショックの下落を除くと、緩やかな右肩上がりで魅力的なパフォーマンスを記録している。今後ともに新興国市場の堅調な経済成長が期待されるだけに、「S&P500」や「全世界株式(オール・カントリー)」のインデックスファンドと併せ持つ分散投資先の1つとして注目されよう。(グラフは、「ビッグデータ新興国小型株ファンド」の過去3年間のパフォーマンス推移)
 

ウエルスアドバイザー

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最終更新:3/25(月) 17:03

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