KKR、富士ソフトTOB価格9850円に引き上げ-ベイン案上回る
(ブルームバーグ): 米投資ファンドのKKRは4日、富士ソフトへの株式公開買い付け(TOB)価格を従来の1株当たり9451円から9850円に引き上げると発表した。
富士ソフトを巡っては、KKRが同社の賛同を得てTOBを続ける一方、米ベインキャピタルがこれに対抗する形で、会社側の同意の有無にかかわらず1株9600円でTOBを実施する意向を表明。ベインの提案がKKRを上回っており、富士ソフトの株価はKKRのTOB価格を上回って推移していた。
開示資料によると、KKRは価格引き上げの理由を「非公開化に向けためどが立たず、TOBの長期化に伴い富士ソフトの企業価値が棄損する懸念が生じ得る」と説明している。
KKRは昨秋から段階的にTOBを実施しており、すでに株主総会で重要提案への拒否権を持つ3分の1超を保有している。第2回のTOBを昨年11月20日から実施中で、価格は据え置いたまま期限を3度延長していた。今回KKRは期限を7日から19日までに延長するとともに価格を引き上げることで事態の打開を狙う。
開示資料によると、KKRは1株8800円で実施した成立済みの第1回TOBへの応募者に対して差額を補償するが、補償額は最大で今回引き上げる前の価格9451円との差額の範囲内とした。時期や方法は検討中だとしている。
KKRによるTOB価格の引き上げについては、日本経済新聞が同日、発表より先に報じていた。報道を受けて富士ソフト株は上昇に転じ、一時前日比1.7%高の9966円まで上昇した。
--取材協力:沢和世.
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最終更新:2/4(火) 14:26