米納税シーズンは要注意、量的引き締めの道筋に影響も-JPモルガン

3/26 8:25 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 今年の納税対応で金融市場から流出する資金を注視する必要があると、JPモルガン・チェースが指摘した。米金融当局によるバランスシート縮小の取り組みに影響を与えかねないレベルまで準備預金が引き出されるリスクがあるためだ。

同行の債券ストラテジスト、テレサ・ホー、ホリー・カニンガム、パンカジ・ヴォーラ3氏の予想よると、今年の税金関連の資金流出が最終的にマネー・マーケット・ファンド(MMF)の資産と準備預金の重しになる恐れがある。銀行預金利回りの魅力が低下するにつれ、準備預金から引き出される資金の割合が大きくなると考えられるという。

この結果、現在約3兆4900億ドル(約528兆円)の準備預金は3兆-3兆2750億ドルに減る可能性があると同行は試算している。これはニューヨーク連銀調査でプライマリーディーラーにとって違和感のない最低水準とされる範囲内。

十分な準備預金維持は、米金融当局が現在進めているバランスシート縮小、すなわち量的引き締め(QT)と言われるプロセスの鍵を握る。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は資金調達市場の混乱を避けるため近くQTペースを減速させることを示唆している。金融システムの過剰流動性のバロメーターで現在約4740億ドルの翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティー残高も、こうした方程式の一部を構成している。

ストラテジストらは22日の顧客向けリポートで「常設レポファシリティー(SRF)の利用しやすさや、翌日物RRP残高のプラスが続くと考えられることを踏まえると、これが資金調達危機を招くとは必ずしも考えないが、RRPがゼロに近い水準に達する中、QTをどこまで継続できるかという点でなお重要な意味があるだろう」と論じた。

原題:JPMorgan Says April Tax Season to Shed Light on Fed’s QT Path(抜粋)

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最終更新:3/26(火) 8:25

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