【ニューヨーク時事】11日午後のニューヨーク株式相場は、米長期金利の上昇一服を背景にハイテク株を中心に買い戻しが入り、上伸に転じている。優良株で構成するダウ工業株30種平均は午後2時10分現在、前日終値比116.68ドル高の3万8578.19ドル。ハイテク株中心のナスダック総合指数は257.79ポイント高の1万6428.15。
米労働省がこの日朝方発表した3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.2%上昇となり、市場予想(0.3%上昇=ロイター通信調べ)を下回った。エネルギーと食料品を除いたコア指数は前月比0.2%上昇と、予想と一致。市場が事前に警戒していたほど伸び率は上昇しなかったものの、前日発表された3月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上振れしたことを受け、根強いインフレへの警戒感はくすぶっており、米株は売り優勢で始まった。
ただ、米長期金利の上昇にひとまず歯止めがかかったことから、ハイテク銘柄などを中心に買い戻しの動きが見られ、一転してプラス圏に浮上している。
一方、ボストン連邦準備銀行のコリンズ総裁は11日、ニューヨーク市内で講演し、最近の統計を踏まえ、連邦準備制度理事会(FRB)の今年想定されている金融緩和が減じる可能性を示唆。「インフレ率は平たんでないながらも、持続的に2%の目標へ向かって低下するとの一段の証拠を確認することを予想している」とし、健全な労働市場が保たれる中、経済の需給が一層均衡することから「年内の利下げ開始は適切と予想している」との見方を維持した。(了)
時事通信
最終更新:4/12(金) 4:05
Copyright © 2024 時事通信社 記事の無断転用を禁じます。
© LY Corporation