明日の戦略-39000円台回復のチャンスを逃す、買い手控えムードが強まるか

3/13 16:52 配信

トレーダーズ・ウェブ

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ベストワン2,721-4
極東証1,508+4

 13日の日経平均は3日続落。終値は101円安の38695円。米国株高を受けて寄り付きから39000円を上回り、開始早々には上げ幅を300円超に拡大。しかし、39100円台までで買いが一巡すると、急失速してマイナス圏に沈んだ。200円超下げたところでいったん切り返したが、プラス圏に浮上するとすぐに売り直されたことから、後場のスタート直後には下げ幅を300円超に広げた。

 節目の38500円を割り込んだところで再び切り返して戻りを試しに行ったが、14時近辺でプラス圏に迫ったところでは再び売り直された。以降はマイナス圏で方向感に欠ける動きが続いた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆4400億円。業種別では電気・ガス、非鉄金属、保険などが上昇した一方、海運、パルプ・紙、鉱業などが下落した。昼休みに配当方針の変更とこれに伴う株主還元強化を発表した極東証券<8706>がストップ高。買いが殺到して後場の取引時間中には値が付かなかった。半面、上期が営業赤字の着地となったベストワンドットコム<6577>が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり468/値下がり1141。米エヌビディアが大幅高となった割には物足りない動きではあったが、東京エレクトロンやSCREENなど半導体株が上昇。ストップ安が続いたさくらネットが、きょうはストップ高まで買い進まれた。指数の動きが不安定となる中で物色は保守的に傾き、北海道電力や中国電力など電力株が軒並み高。好材料のある銘柄には資金が向かっており、上方修正や自己株取得を発表したザッパラスがストップ高比例配分となった。

 一方、海運株が弱く、川崎汽船が3%を超える下落。野村マイクロや三井E&Sなど今年人気した銘柄が売られており、ストップ安が続いた住石HDが27.5%安と暴落した。今期の最終減益見通しが嫌気された三井ハイテックが大幅安。スペースワン社が打ち上げた小型ロケット「カイロス」が打ち上げ直後に爆発したと伝わったことを受けて、スペースワンに出資しているキヤノン電子が急落しており、QPS研究所やispaceなど宇宙関連ベンチャーにも売りが波及した。

 日経平均は3日続落。39000円台回復のお膳立てが整っていたにもかかわらず、そのチャンスを逃した。大幅高スタートとなったところで売りに押され、マイナス圏に沈んだ後に少なくとも2度強めに戻しているが、そこでも売りに押された。こうなると、日銀会合(3月18日~19日)を通過するまでは腰の入った買いは期待しづらい。

 米国ではFOMCが19日~20日の日程で開催され、東京市場は来週水曜の20日が休場。FOMCの結果を消化するのは休場明けとなる。あす弱い動きになってしまうと、金曜15日は翌週の日銀会合を前にリスク回避の売りが強めに出てくる展開も想定される。きょうは下落したものの、終値(38695円)では節目の38500円や25日線(38608円、13日時点)を上回った。大崩れを回避するには、あすは悪くても現状近辺で値を保つことが求められる。

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最終更新:3/13(水) 16:52

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