(ブルームバーグ): ソニーグループ株が一時4.2%安と2月15日以来の日中下落率となった。米映画・テレビ大手パラマウント・グローバルがソニーGからの共同買収提案を検討するとの報道で、同社の財務状況への不安が広がった。
複数の関係者によると、ソニーGは米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントと共同でパラマウントに対し、260億ドル(約4兆円)の買収案を提示している。パラマウントは3日、協議中であった映画プロデューサーのデービッド・エリソン氏に対して独占交渉の終了を通告し、ソニーGの共同買収案を検討するとブルームバーグが報じた。
大和証券の坪井裕豪チーフストラテジストは「財務的な方法が全くわからない状況で、 いったんマーケットは身構えている」と指摘する。 資金の借り入れを行うことも可能だが、増資が必要になった場合の懸念はあると話す。ブルームバーグのデータによると、同社が保有するキャッシュは約1兆5000億円と同買収案の4兆円を下回る。
同社株は年初から6%安と、東証株価指数(TOPIX)の16%高をアンダーパフォームしている。坪井氏は、足元の株価が堅調でないことから、マーケットでは同社の従来の業務に対してまず資金を振り向けなければならないという見方もあると述べた。
パラマウントの買収が成立すれば、コンテンツの拡充などが期待される。坪井氏は「マーケットは財務面の心配が解消されれば、将来への期待が上回るのでは」と分析する。
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最終更新:5/7(火) 12:35
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