アップルCEO、中国への愛隠さず-景気悲観論と闘う習氏に助け船

3/26 14:04 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 世界2位の経済規模を誇り、構造的な景気減速を巡る悲観論への対応を余儀なくされる中国に、主要なグローバル企業のトップらが熱烈な支持を示した。

米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は24日、「私はここが大好きだし、中国の人たちを愛している」と発言。この数日前には新規開業した上海の店舗に駆けつけ、応用研究で新たな投資を行う考えも示した。

クック氏は企業経営者や中国当局者が毎年集まる「中国発展フォーラム」の開幕式に出席した際、「ここはとても活気があり、ダイナミックだ」と記者団に語った。アップルはスマートフォン「iPhone」を巡り、中国の政府機関や国有企業で使用制限の拡大に直面しており、今年最初の6週間の中国iPhone販売は前年同期比24%減少した。

今回の中国発展フォーラムは、対中投資の歴史的な落ち込みを経験した中国にとって、同国への関心を取り戻す機会となる。今週には海南省で「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」なども開かれる。

地政学的な緊張は高まり、中国で国内企業を優遇する動きがあるものの、グローバル企業経営者にとって、一連の会議は巨大な中国市場への関心を強調するチャンスでもある。米ファイザーのアルバート・ブーラCEOは中国を「極めて魅力的な場所」と呼び、ネスレのマーク・シュナイダーCEOは中国の消費喚起策を称賛した。

李強首相は24日の演説で、中国経済の持ち直しについて幾つかの課題を認識しつつも、改善に向かっていると表明した。

開幕式に出席した米戦略国際問題研究所(CSIS)の中国専門家、スコット・ケネディ氏は李首相の演説について、「中国政府が直面している国内問題がいかに深刻か、そして困難な地政学的環境であることを認識していることを示すものであり、安心材料だ」と指摘しながらも、「国内政策をどのように変更するのかについては具体性や詳細がまだ不十分であり、中国の政策が世界的な不安を招き、地政学的な緊張を高めているという認識は実際なかった」と分析した。

習近平国家主席は27日、訪中している企業トップらと会談する可能性がある。

原題:Tim Cook’s Love for China Helps Xi Fight Fears of Economic Slump(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:3/26(火) 14:04

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング