米経済「わずかに拡大」、企業の価格転嫁困難に-ベージュブック

4/18 3:26 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米地区連銀経済報告(ベージュブック)は、米経済が2月下旬以降「わずかに拡大」したほか、企業のコスト転嫁がさらに難しくなったと指摘した。連邦準備制度理事会(FRB)が17日公表した。

報告書では「個人消費は全般的に辛うじて増加したが、地区や支出項目によってかなりまちまちだった」と指摘。「消費者は依然として物価にかなり敏感で、裁量支出の弱さに言及した報告もいくつかあった」とした。

「企業の価格転嫁能力がここ数カ月でかなり弱まったため、利益率が低下しているとのコメントも多く寄せられた」という。

今回の報告は、12地区連銀が4月8日以前に収集した情報を基にボストン連銀がまとめた。

報告書の内容は、米経済の力強さを示唆する最近の経済データとは幾分異なるものだった。

雇用と支出

報告書は「物価上昇は平均して小幅だった」と記述。原材料コストはまちまちだったが、約半数の地区がエネルギー価格の上昇に言及した。保険料の上昇を指摘する声もあった。コスト上昇分を消費者や顧客に転嫁することが難しいため、利益率が圧迫された。

「調査対象企業は総じて、インフレが今後も緩やかなペースで安定的に推移すると予想した。一方で、数地区では製造業を中心に、投入価格と産出価格の両方について短期的なインフレ上振れリスクを認識している」と指摘した。

大半の地区では、労働力の供給増加と人材を維持する能力が改善したとの報告が寄せられた。雇用市場の減速と賃金による物価押し上げ圧力の緩和を示唆している。

「複数の地区が年間賃金上昇率が最近、過去の平均に戻ったと指摘した」と報告書は記した。

原題:Fed Beige Book Sees Slight Growth, Moderating Wage Pressure(抜粋)

--取材協力:Jarrell Dillard.

(c)2024 Bloomberg L.P.

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最終更新:4/18(木) 4:27

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