ホンダ、カナダEV生産に向け1.7兆円投資検討-地元政府も支援

4/25 16:30 配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): ホンダは25日、カナダ東部オンタリオ州トロント北部で電気自動車(EV)を生産するため、パートナー企業と計150億カナダ・ドル(約1兆7000億円)を投じることを検討していると発表した。

発表によると、既存工場に隣接して建設されるEV工場は年間最大生産能力24万台規模を想定しており、稼働開始は2028年を目指す。新工場は環境負荷を最小化するほか、「革新的な生産技術を導入予定」だとしている。ブルームバーグは同日午後、ホンダの投資計画について関係者の話を基に報じていた。

また、36ギガワット時規模のEV用の車載電池工場の建設も検討している。電池の主要部材については、正極材は韓国ポスコフューチャーエムと、セパレータは旭化成と合弁生産工場をカナダで立ち上げることを検討する。

ホンダと旭化成が加車載バッテリー用セパレータの生産協業で合意 (1)

EVについては慎重姿勢が目立っていた日本勢の中でホンダは21年に社長に就任した三部敏宏氏の指揮の下、いち早く40年までに販売する全ての車をEVか燃料電池車とする計画を打ち出した。急成長が続いてきたEV市場は足下では減速感が見られるものの着実に増加しており、ホンダなどは北米などの主要市場における生産体制構築が急務となっている。

ホンダの発表によると、今回発表したEVのバリューチェーン構築に関わる総投資額は合弁パートナー企業からの出資額も含んでいる。カナダ政府とオンタリオ州からそれぞれ補助金を受ける予定で、協議を進めているという。投資内容については今後精査を進め、詳細は今秋の最終決定後に改めて公表するとしている。

ホンダにとっては、北米のEV需要を長期的に見込んだ取り組みの一環となる。同社は米国でハイブリッド車を生産しており、来年には米オハイオ州メアリズビルで同社初の米国製EVの製造を始める計画を明らかにしている。

事情に詳しい関係者が匿名を条件に語ったところでは、ホンダの投資に対するカナダ政府の支援は、クリーン製造やEV生産への税控除という形で行われる。だが、正確な財政の負担額は、ホンダが実際にカナダでどれだけ支出するかによって決まる。

一方、オンタリオ州は同プロジェクトに関する資本コストの一部を助成する見通しのほか、新たな道路や下水道など必要なインフラ整備の資金も提供する可能性があると関係者は語った。

原題:Honda’s $11 Billion Canada EV Expansion Includes Government Aid(抜粋)

(c)2024 Bloomberg L.P.

Bloomberg

関連ニュース

最終更新:4/25(木) 23:05

Bloomberg

最近見た銘柄

ヘッドラインニュース

マーケット指標

株式ランキング