「12歳、1人暮らし」すがちゃん語る破天荒父への愛 小学生の頃は父のナンパを手伝わされて(笑)

4/12 11:02 配信

東洋経済オンライン

2022年元日の日本テレビ「ぐるナイ おもしろ荘」に出演し、一気に注目を集めた男女トリオ「ぱーてぃーちゃん」のすがちゃん最高No.1さん(32)。ギャル2人をすがちゃんがまとめるスタイルで、オンリーワンの存在感を見せています。4月26日に発売される初の著書『中1、一人暮し、意外とバレない』で自らの生い立ちについて吐露しています。ポップなルックスに内包された亡き父への思いとは。

■行動原理がわからない父(笑)

 もともと、中学の頃から1人暮しはしていたんですけど、自分としてはそんなに興味を引く話ではないと思っていたんです。

 ヨソの家とは少し違う父親との話もあるけど、それこそ「麒麟」の田村さんがお書きになった「ホームレス中学生」もあるし、それでも、わざわざ自分から発信するほどのことではない。そんな意識だったんです。

 ただ「Aマッソ」さんのYouTubeチャンネルでその話をする機会があって、想像以上に反響があったんです。さらに、いろいろな番組からお声がけもいただきまして。

 その流れで「ゴッドタン」(テレビ東京)に出演した時に、劇団ひとりさんから「これは番組で話すどころじゃなく、本を書いて映画化するレベルだよ」と言ってもらったんです。「そこまで言っていただくなら、もしかして意味があるのかな」という感覚になったところで、これもご縁なんですけど、まさに「ホームレス中学生」を担当されていた編集者さんが興味を持ってくださいまして。あらゆるご縁が重なって本を出すことになりました。

 改めて本を書く中で反芻したのが親父の破天荒具合でした。親父は3年前に亡くなっているんですけど、本当に行動原理がわからない人間でして(笑)。

 酒、女、タバコをやり尽くした男の最終地点みたいな人で、僕が小学生の頃は親父のナンパの猟犬みたいなことをやっていました。若い女性グループが公園にいたとすると、小学生の僕が入っていくわけです。そこに親父が来て「ごめんね、ウチの息子が勝手に遊んでもらっちゃって……」みたいなことをきっかけに声をかけるんです。

 僕は僕でちょっと変わった子だったのか、俯瞰からの意識もあったというか、その構図自体を「面白いなー」と感じていた。地元は山形なんですけど、近所のコミュニティにだけ「普通」だと思われていたら、離れた地域だったらいいかみたいな感覚で。そこも、すでに親父譲りだったのかもしれませんね(笑)。

 親父は僕が小学校低学年くらいまでは大手の自動車会社の営業をしてたみたいで。やっぱりね、口がめちゃくちゃうまいんですよ。僕は「山形の島田紳助」って呼んでたくらい。

■父が会社を辞めて貧乏暮らしに

 ある時、会社を辞めていきなり貧乏な生活が始まるんですけど、そこからは「親父、仕事は何してんの?」って聞くと「ビッグなビジネス」としか答えなくなりました。細かく聞くと「石油の時代を終わらせるビジネス」だとか「この世から地雷をなくす装置を作るのに成功した」とか、そういうことを言ってました。発言内容はほとんどアントニオ猪木さんと同じなんですけどね(笑)。結局わからない。

 自分の父親なんだけど架空の生き物というか、自分の生活なんだけど漫画を読んでいるというか。そんな景色として思い出が残っているんですよね。

 僕のキャラクター的に、今回私小説的な本を書くことでリアルな人生のタネ明かしというか、ピエロが化粧を落とすみたいになるんじゃないの? ということを言われたりもしました。

 でも、ここも親父の血を引いているのかもしれませんけど、そういう心配よりも自分好きが勝っちゃいまして。「ほら、全てを愛してごらん、世間!」という感じで。「全ての積み重ねが今のオレだぜ! 化粧を取ったピエロの素顔もメッチャいいでしょ?」みたいな勢いで、圧倒的にナルシシズムが勝ちました(笑)。

 あと、これは声を大にしておきたいところなんですけど、エピソードを見ると「これはネグレクトじゃないか」みたいなことを言われたりもするんです。でも、そんなことは全くなくて。

■父のエピソードで誰かが笑ってくれたら

 本当に愛情を注いでくれたし、僕には決して言わないけど、これでもかと僕のためにやってくれていた。それがこちらもわかっているから、人とは少し違う家族の思い出かもしれませんけど、それが悪い感情にはなっていないんでしょうね。

 ただ、残念ながら親孝行はできず、ようやくテレビの仕事をいただけつつあった時に亡くなってしまいました。なので、親父のエピソードで誰かが笑ったり何かを感じてくださったら、親父も喜んでくれるんじゃないかなという思いも出版の裏にはありました。

 見た目はプロレスラーの蝶野さんみたいな感じで強面なんですけど、基本的には陽気な山賊のリーダーみたいな感じで、人懐っこいところのある人間でした。何回も人にだまされて、何回も結婚してるんですけど、そういう意味では魅力のある人だったんだなと今大人になって考えてみると感じますね。

 もし、この本が本当に映画化されるならば、親父の役はまさに蝶野さんというか迫力がある方にやっていただくのがいいんでしょうけど、僕の役ですか? …そうですね、これは僕がアレコレ言えることじゃないですけど、山﨑賢人さんか。憂いの部分を強く出すなら菅田将暉さんか。そういった人選になるのかなと……。

 ついついこんなことを言っちゃうのも親父譲りなのかもしれませんけど(笑)、それもしっかり生かしながら自分の道を歩んでいきたいと思っています。

■すがちゃん最高No.1(すがちゃんさいこうなんばーわん)
1991年8月21日生まれ。山形県出身。本名・菅野直人。ワタナベエンターテインメント所属。別のコンビを経て、2021年に大分県出身の信子、神奈川県出身の金子きょんちぃのトリオ「ぱーてぃーちゃん」を結成する。ギャルとチャラ男のパリピ漫才が主武器で、信子と金子のギャルさ全開のボケに、すがちゃんがキザなツッコミを入れていくスタイル。2022年正月の日本テレビ「ぐるナイおもしろ荘」に出演し、有吉弘行から「令和の『安田大サーカス』」と評された。YouTubeチャンネル「ぱーてぃーちゃんの今夜はなにパ?」を展開中。4月26日に初のエッセイ『中1、一人暮し、意外とバレない』(ワニブックス)が発売される。

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最終更新:4/12(金) 11:02

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